手術して大部屋に入院していた時の話。
同室のAさんの所に、姑さんがほぼ毎日、
旦那さんが週1でお見舞いに来ていた。
姑さんがあからさまな嫁イビリで、
大きな声でずーっと
「気を張ってないから病気になるんだ、
たるんでる、嫁としてなってない」
「夫をさし置いてベッドで昼間から寝てるなんて、
死んで詫びろ」
「生き恥をさらして。死ねばよかった。
死にぞこないのくせに食事は食べるのね」
って
「死ね死ね」
を連発する。
旦那は日曜に姑さんと来る。
相変わらず死ね連呼の姑さんの横で、黙って携帯ポチポチ。
スポンサーリンク
手術の予後がよくない人もいるし、
「死」なんて言葉入院中に聞きたくない。
スポンサーリンク
同部屋の皆で話し合って、もし旦那さんだけが
来る日があったら物申そうと決定した。
姑さんはいかにも話が
通じなさそうなので止めてもムダと判断した。
ある日、姑さんは観劇だとかで旦那さんだけが来た。
同部屋で一番年上のBさんが先頭に立って、
旦那さんに皆で
「お母さまに、死ね死ね言うのをやめてもらいたい」
と申し入れると、旦那さんポカーン顔をして、
Aさんを見て
「おまえ、そんなひどいこと言われてたのか!」
「なんでもっと俺に早く言わない!」
と怒鳴った。
こっちがポカーンだった。
Aさんもハア?って顔をしていた。
旦那さんはヒートアップして、
どっかの議員みたいな泣き声で
「すまなかったー」
「気づかない俺が悪かったー」
「俺を信じて打ち明けろよ」
とか言ってた。
演技とかじゃなく、目が本気だった。
宇宙人だ、と思った。
旦那さんが帰った後、Bさんが
「ありゃだめだ。治らないよ。あんたも我慢してないで
自分の親か兄弟呼びな。我慢するだけムダ」
と言った。
Aさんは青い顔でうなずいてた。
3日か4日後、飛行機の距離だというAさん実家から
お母さんが来て、その日から姑さんが来るたび
睨んで追い返すようになった。
姑さんはAさん母が苦手みたいで、
ブツブツ言いながら帰っていった。
その後、私は先に退院。
半月くらしいてBさんのお見舞いに来たら
Aさんはすでに退院していた。
実母と一緒に帰ったそうだ。
姑と旦那は来なかったらしい。
よくまとめのエネ夫の話で「もっと早く言ってくれれば」
って夫が言い、「しらばっくれてる」というレスがつくが、
そうじゃなく、あれは本気で聞こえてないというか、
耳に入ってないんだよといつも思う。
授業中、教師の話が耳を素通りしていく現象の強化版かなー、
と自分なりに勝手に解釈しました
スポンサーリンク