嫁と知り合ったのが11年前の今日。嫁にボールをぶつけたのも11年前の今日

11年前のオレは17歳の高校3年生。嫁とは同い年。

昼休みにいつも通り同じクラスで
同じ卓球部の友達と教室で飯を食べていた。
そいつは太ってたからクロちゃん(仮名)にしておこう。

クロちゃんとオレは高校では卓球部だが
中学の部活は野球をしていたという異色(?)の経歴の持ち主。

お互い部活として野球はしたくないけど
楽しく野球がしたいということもあり、
部活が休みの日はよくキャッチボールをしていた仲だ。

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昼飯を食べ終わると同時におもむろにクロちゃんがある本を出してきた。

その本は変化球の投げ方!(詳しいタイトルは忘れた)という
現役プロ野球選手から引退された有名な
選手の変化球の投げ方などを紹介する本だった。

オレは部活をしていた頃ピッチャーをやったことがなく
もちろん変化球など投げたことがない。

クロちゃんからその本を借り昼休み後の
授業を受けるふりをしてその本を読んでいると変化球投げてみたちなと思い、
クロちゃんと部活をサボり学校近くの公園で試してみることになった。

まずはしっくりくる握りを探すことが大事という
実は意外にもピッチャー経験のあるクロちゃんに
アドバイスをもらいながら色々と試す。

そこでしっくりきたのはスライダーだ。

しばらくスライダーを練習するうちに
段々曲がるようにもなっていき投げるのが楽しくなってきた。

少し疲れクロちゃんに1度休憩しよう言われベンチに座り休憩している
隣のベンチに同じ高校の制服を着た女子2人組が座った。

その2人組は当時俺が好きだった子である前田(仮名)と嫁だった。

休憩なんかしちゃいられない!
なんとしてもいいところを前田に見せなくては!!!
と張り切りまだ休憩したいというクロちゃんを
無理矢理立たせて再び変化球の練習へ。

当時オレの高校は野球部がモテていた。
その為、オレは野球ができるやつがモテる!→変化球を投げれたらモテる!
と何故かこのような思考にいたり前田のいるここで
スライダー投げたら惚れられる!と本気で思った。

まあ当然そんな好きな子の前で
いきなりスライダーなげても惚れられないし
すぐに凄いスライダーが投げれるわけでもないのにね。

いいところを見せようと力みまくって振りかぶり、
まだ完全に取得していない変化球を投げた瞬間今までにない感覚に陥った。

いわゆるすっぽ抜けだ。

すっぽ抜けた球はクロちゃんの
グローブを目掛けて飛ばず前田の座っているベンチへ。

そして嫁の右腕に直撃!!!!!

軟式ボールと言えどぶつけられると痛いよ。しかも女子。
前田が驚いた顔をしながらすぐに嫁に大丈夫?と聞き本気で心配する。
オレも慌てて嫁の元へ行き謝り倒す。謝って謝ってとにかく謝った。

この時前田と嫁は俺のことを、
女子に対してボールを投げるクソ野郎。○ねばいいのに。
と思ったらしい。辛いね。

その日はもう大丈夫だから気にしないでという
嫁の超絶優しい心づかいで事なきを得た。
実際はもう関わりたくないから喋りかけないでということだったらしい。辛いね。

そして嫁と前田が帰った後、
クロちゃんと懲りずに再びスライダーの練習。
この後コツを掴み少し曲がる程度のスライダーを取得した。

そして次の日、2日連続で休むのはいかがなものかと思い部活動に参加。

しかしこの日は謎の講演会が行われるため
我ら卓球部の使用してた体育館は使えず軽いミーティングのみで終わる。

帰ろうとした時校門でばったり嫁と遭遇した。

俺「あっ……えっと……昨日はごめん。もう痛みは大丈夫?」

嫁「もういいよ、気にしてないし。湿布を貼ってるからマシだけどちょっと痛いかな」

俺「じゃあさ、俺の自転車のカゴに荷物入れなよ。駅まで持っていくよ。」

これ以上この子に嫌われると前田に
どんな愚痴を言われるかわからないと恐れた
俺の申し出に嫁は気にしてないって言ってるのにーと笑いつつ応じてくれた。

最初はこの日だけかなと思っていたが
駅まで歩いてる時に色々話していると嫁と俺
は同じアーティストが好きで、
さらに嫁はプロ野球が好きなことが判明。
しかも地元ではない球団なのに同じ球団が好きという
偶然の重なりが起き、気がつけば駅前で暗くなるまで話していた。

その後、嫁とは廊下や通学路で会えばちょっとした世間話を
するという仲に進展したぐらいで特にこれと言ったこともなかった。

メアド交換をしてみたかったがあいにくオレも嫁もケータイは持っておらず。

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夏前に前田とクロちゃんが付き合ったという報告を聞き枕を濡らしたこともあったが高校生最後の1年はあっという間に終わり、オレは無事第一志望の大学へ入学。

嫁も俺とは別の大学だが第一志望に合格したと報告し、お互いおめでとうと言い合った。

ちなみにクロちゃんは就職。前田は専門学校へ。

大学に入りオレはゆるい感じで初心者からちょっと
野球をやっていた程度の人達が集まるサークルに入れてもらう。

このサークルでオレはクロちゃんと受験勉強、
就職試験対策の合間にやっていた
変化球練習の成果もあり(投げる人がいないというのと
試合への参加率が高いという理由で)エースの座を1年生ながら掴み取った。

夏休みある日、とある大学と練習試合をすることになった。
その大学は嫁が進学した大学で大学名を見た時
「あ~そう言えば嫁が行った大学だな」としか考えてなかった。

試合はスライダーが冴え渡り気がつけばオレは
人生初の完封勝利(時間の都合上7イニングだが)を納めた。

その試合後、相手チームのマネージャーと
思われる人物が声をかけてきた。嫁だ。

嫁「よー久しぶりー!元気?」

俺「ん……?もしかして嫁!?久しぶりー!」

嫁「うわーもしかして忘れかけてたー?ボールをぶつけた相手なのに」

俺「いやいや忘れてないよ!」

嫁「けど今日のピッチングみてたらコントロールイイし私に当てたのわざと?」

俺「いやそれは偶然だよ!!!」

嫁は最初から俺の存在に気がついていたらしいが俺はこの時まで全く気が付かなかったw
その後、大学入学時に買ってもらった携帯でメアドの交換をした。

その後は、飯を食いに行ったりプロ野球を観に行ったり色んな場所へ遊びに行ったりした。
最初は気の合うことが多いなと思っていたがだんだんと好きになっていった。

何故か記念日というものに憧れていた俺。
告白するなら出会った日とかいいんじゃね?とか考えていた。
相変わらずのアホである。

そして迎えた5月7日。その日までお互い新学年が始まり、
ゴールデンウィークなどでバイトも忙しくと中々会えず。
近況報告&お久しぶりですということでファミレスへ。

飯も食べ解散の時間が近づいた時に俺は嫁を止めた。

嫁「じゃあそろそろ帰ろうか」

俺「んーちょっと待って」

嫁「どうしたの?そんな真剣な顔して」

オレはこの瞬間が多分人生で1番緊張したと思うし、テンパってた。

俺「2年前の今日、最初にボール当てた時は最悪な出会いだったと思う。
けどあのすっぽ抜けた変化球は運命の1球だったと思う。
その後再会出来たのはあの時のスライダーのおかげで
野球サークルに自信を持って入れてピッチャーをしてたからだと思う。
俺は嫁のことが好きになった!付き合ってくれ!」

嫁曰く要約するとこんなことを言ったらしいが緊張しすぎ
て自分でも何言ってるか分からなくなってたしほとんど覚えてない。

けど嫁の返事ははっきり覚えてる。

嫁「私もあの1球が運命だと思う。私も好きです。よろしくお願いします。」

って言われた瞬間嬉しすぎて思わず抱きついちゃったの覚えてるw

そのあと順調に交際して行き大学卒業後に同棲開始。

その後俺から再び5月7日にプロポーズ。

告白の時と似たような内容なので省略。

「初球は変化球だったけど2球目、3球目はストレートだねw」

と未だに嫁にいじられますww

今日は昼前には出張先から家に帰れそうだから
1日遅れの出会った記念日&交際記念日&結婚記念日!!
楽しんでくるよw

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