私が2歳の頃に父に彼女がいて両親が離婚し、
それ以降一切父とは会っていない。
父方祖母が私を不憫に思っていたらしく、
遺言状に私宛の相続を記してくれた。
祖母が亡くなってから
銀行の貸金庫から遺言状が出てきたそうで、
家族の誰もが貸金庫の存在すら知らなかったために
父方一家びっくり。
祖父母は戦後に地元(九州)で事業を興した人で、
今は父兄が継いでいる。
個人名義でもそこそこ財産があったので、
きっと期待していたんだと思う。
慌てて弁護士をよこして
相続放棄するように迫ってきたけど、
母に慰謝料も払わず、養育費も払わず
母子を追い出した父に
遠慮する必要なんてないので、
ありがたく相続するよと答えた。
私はその時東京で会社を興したばかりで
資金繰りに苦慮していた時期だったし、
唯一気がかりだった母も地元を離れていて
「私のことは気にするな」と言ってくれたので
遠慮なく頂くことにした。
祖母が遺言状に添えるように手紙を残してくれて、
その中に
「子世帯のことだからと、
離婚もその後のことも口を挟まずにいたけど、
やはり後悔しかない。
今までの(孫)ちゃんへの養育費と
お詫びだと思って受け取ってほしい。
生きているうちには会えないかもしれないが、
私が他界したあとにこの手紙を読んで
許してくれるなら一度だけお墓参りしてほしい」
なんて書いてあって思わず泣いた。
これで相続放棄したら祖母が可哀想だ。
祖母の遺言状は祖父にすら内緒で作成されたものだけど、
昔の部下を証人に立てて公正役場で作ったもので、
さらに祖父や父・父兄への遺留分にも
考慮してあったものだから、法的に何の問題もない。
裁判してもそれ以上は望めないのはわかっていたくせに、
嫌がらせみたいに裁判を起こされた。
もちろんこっちが勝ったんだけど、
判決の後に父の後妻がわざわざ東京まで来た。
深夜に会社(兼・私の自宅)の前をうろついていたところを、
深夜業務のために出勤してきた従業員に声をかけられて、
びっくりしたのか転んで救急車呼んだ。
そしたらその従業員が悪いとか言い出すから、
警察に出入口と駐車場の監視カメラの映像提出したよ。
もちろん父妻が勝手に転んだのが証明された。
翌日父が慌ててすっ飛んできて、
警察署で両親離婚後初の親子の再会w
「ご無沙汰してますが娘の○○です。
嫌なところで会いましたねぇ」なんて
相棒の右京さんみたいな口調で言ってしまったw
記憶にあった父はわりと男前だったんだけど、
実際に会ってみたら
なんてことないしょぼくれたおっさんでがっかりした。
父妻は厳重注意で解放されて、父と九州に帰っていった。
その後も小さな嫌がらせはあったんだけど、
証拠もあるしいい加減に訴えるよ、と
会社の顧問弁護士から父兄の会社宛に文書送ったら
ぴたっと止まった。
父は父兄会社の役員、父妻は従業員だったし、
会社の管理を問えるような状況がそろってたので
会社宛にしてみた。
決算関係の書類作りながら、
息抜きに当時の思い出を書いてみた。
おばあちゃんのおかげで今年も無事に年を越せそうです。
おばあちゃんありがとう。来年またお墓参り行くよ。