金八先生 First Seasonがやってた時代の話。
中3の時、父親の転勤で転校することになった。
それまでの中学は穏やかな学校で(校則は厳しかったが)
のんびりした毎日だったが、
転校した学校はスクールウォーズの様に
荒れた学校だった。
超普通の俺は逆に浮く様な状態で、
どうすりゃいいんだ?と・・・
犬も怖くて触れないほどのヘタレだから、
不良デビューなんて無理。
転校初日に、先生から
「ここの学校に染まっちゃダメだから!」
とか言われるし・・・
前の学校では友達多かったから、
ぼっちになるのも嫌だし・・・
悩みつつも、無駄にコミュ力だけはある
俺は(転校が多いとコミュ力はつく)初日の午前中は
もらったクラス名簿(当時は住所電話番号あり)を
見つつ観察。
家が近くてとっつきやすそうな不良に
適当に話しかけた。
そいつは気さくに話してくれて、
家が近い事やなんかでその日は一緒に帰ることに。
隣じゃないけど距離にして20メートルくらいの家で、
いきなり家に誘われ仲良くなった。
しかし、翌日に分かった事だが、
そいつは2大勢力のグループのトップだった。
下手に家が近いが故に、登下校は一緒、
必然的に俺はそのグループの一員という事に。
また、俺はくせ毛で、何もしなくても
前髪が持ち上がる「天然リーゼント」の持ち主。
サイドの毛にポマードを塗れば立派なリーゼントの
出来上がりというお手軽不良スタイル。
無駄なコミュ力と脊髄反射でしゃべってしまう
口の回り具合で、瞬く間にサブリーダー的立場に
祭り上げられて行く・・・
喧嘩なんてできないのに。
他校と街で遭遇し、喧嘩になるときは、
俺が口で煽り、向こうが切れて飛び掛ってくると
俺は最後尾に逃げて、周りが守ってくれるという、
何とも言えない立場を確立。
リーダー、Yはとてつもなく強くて、
他校の弱いグループなんかは、出会うだけで
「チーッス、Y君 チーッス」
って感じで、道を空ける始末、
でいつも一緒にいる俺もその内顔を覚えられて、
1人で歩いてても
「チーッス、俺君 チーッス」
って・・・慣れない俺は
「あぁ、どうも、こんにちは」
とか返すんだけど、それが逆効果で、
普段は優しいけど、一度切れると
鬼より怖いとか噂が流れる始末・・・
いくつかの喧嘩を潜り抜け(俺は口だけ)
夏休みになり、母親と弟と3人でSCに買い物に行ったとき、
俺は自販機でジュース買おうとしてたんだけど、
母親と弟はちょっと離れたベンチで座ってたんだ。
そしたら他校の、見た目もそれそれは怖い人たちが
俺を囲んだんだ、俺ガクブル。
「チーッス、俺君 チーッス」
「ジュースですか? 奢らせて下さい チーッス!」
「Y君は元気っすか! よろしく言っといてください
チーッス!」
あっというまに手に余るほどの
ジュースが俺の手に乗せられる・・・
嵐のように去っていった他校の不良グループだが、
ゆっくり振り向くと、さっきの不良達より怖い顔をした
母君の顔があるわけよ・・・
「家に帰ったら、しっかり説明してもらうからね・・・」
ってマジ不良より怖いです。
ほぼ半日、事情聴取を受け、
それでも俺が不良ではないという事には納得しない母君。
まぁ、そりゃそうだ、あんなに怖い
見かけの人たちがあんな挨拶するんだもんね。
夏休みと言うことで、そのグループの1人1人を家に呼んで、
母親の潜入尋問が始まった。
友人1の場合。
母「ねぇ、1君、俺君って学校でどんな感じ?」
1「そうっすね、Y君の親友だし、度胸はあるし
(彼は勘違いしてます)凄いっす」
友人2の場合。
母「ねぇ、普段何して遊んでるの?」
2「そうっすね、他のグループと喧嘩したり
(そんな事言わんでよし)」
などなど、全て勘違いも甚だしい供述が
そろえられ、外出禁止となった夏でした。
もちろんY君とは今でも友達だよ。
Y君は更正してというかもともと頭良かったんで、
俺と一緒の旧帝に行って一部上場会社の
少し偉い人になってますが、詳しくはスレチなのでw
俺は粋がったことなんか一度もないよ。
喧嘩の煽りも
他「てめぇ、何だよ」
俺「○中3年△組出席番号□番の俺だすよ、君は?」
他「誰でもいいだろてめぇ何だよ!?あん!?」
俺「さっきもいったじゃないですか、
○中3年△組出席番号□番の俺だって」
他「てめぇ、ナメてんのか!?あん!?」
俺「とんでもない、丁寧に挨拶してるじゃないですか」
他「それがナメてるっていってんだよ!?あん!?」
俺「これがナメてると言われたらしょうがないですね。
世の中の大人の挨拶もナメてるって言われちゃいますね」
仲間一同(笑)
他「やったろうか!?」
ハイ喧嘩スタートって感じです。
Y君は夏休み後までは全く勉強してなかったから
成績最悪だったんだけど、
その後、宿題が出ると俺の家に来て
「勉強教えてくれよ~」
って。
で、あっというまに数学と理科と国語は
トップクラスになったよ。
暗記科目である英語と社会は苦労してたけどねw
Y君のおかげでその中学はイジメが無いってのはあったから、
有る意味ホントにヒーローだったかも・・・
イジメとかカツアゲとかが大嫌いで、
チクリでも1つあったら徹底的に調べて
ボコボコにしちゃうからw
ほとんど学校内警察みたいな感じだったな・・・
他の仲間は彼が居たから悪いことは喧嘩だけしかしなくて、
ホントのクズにはならなかったんだと思う。
敵対グループの事も、あいつら
イジメやカツアゲするから敵対してたってのがあるし。
夏休み明けに、不良グループのリーダーY君が
俺の家によく
「勉強教えてくれ~、宿題教えてくれ~」
って来るようになって、
そうなるとその他のメンバーも一緒に
来るようになったんだ。
Y君はバカじゃないけど、
今まで全く勉強してないから基礎が無い。
他は下手すると九九の7の段が危ないヤツとかいたんだけど、
個別授業的に皆に教えてたんだ。
不良グループのサブリーダー的扱いになったとはいえ、
喧嘩は怖い俺だから、基本、
誉めて伸ばす方針で教えてたんだよ。
小学校からやりなおしたり、方程式の基礎の基礎から、
それこそ、つるかめ算からやってみたり、
色々と考察しながら、
とにかく誉めてみんなでやってた。
家に通ってたのは15人くらいだったかな?
俺の部屋に入りきらないから、
居間も使って下手すりゃ縁側にもw
見た目厳つい不良グループが、
誉めて伸ばしてるうちに勉強ブームにwww
俺の母君がお菓子や料理出すって
サービスも好評だったんだけどね。
2学期の中間試験にはほとんど間に合わなかったんだけど、
少ししたら変化が現れてきて。
x^2-1を因数分解するとって話をしてたんだよ。
で、x^2-2はめんどくさいから、
まずはx^2-1とかx^2-4、x^2-9から説明するねって。
で、説明してたらY君が
「おう、俺、2×2とか3×3なら説明しやすいって事は
x^2の前に4とか9とか16でもできるよな」
って言ってきて、他のヤツらが
「Y君どういうこと?」
ってなって、Y君が他のヤツらに教えはじめたのw