当時、俺は職場の先輩とよく飲みに行ってた。
特にK田さんて人が何かと可愛がってくれてた。
その日も4人くらいで飲んでて、K田さんが
「キャバクラ行こうぜ!おごるよ!」
って言い出した。
俺はあんまりキャバクラとか興味なかったけど、
んじゃ行くかってなった。
そこは歌舞伎町のよくある雑居ビルの5階くらいにあった。
店名は覚えていない、スマン。
女の子が何人かついて、
K田さんがシャンパンか何か2~3本頼んだりして、
2時間くらい経った頃、会計を頼んで、
ボーイが伝票を持ってきた瞬間、K田さんの顔色が変わった。
で、K田さんはボーイに
「ちょっと待ってて、また呼ぶ」
みたいなことを言って外させた。
俺たちはK田さんの顔色を見て悟った、「あ、ボッタクリだな」と。
K田さんは
「ヤバイことになったが、あまり騒ぐな」
って言いながら、作戦を立てた。
来た順路を思い出して、逃走経路を確認して、エレベーターはやばいとか。
俺たちはあくまでも静かに、その店からサーッと逃げた。
雑居ビルによくある踊り場があるタイプの非常階段を、
先輩たちは降りていった。
が、しかし俺は何を思ったか(本当に何を思ったのか思い出せない)、
トイレに入ってしまった。
トイレに入ってしまった俺は、個室で息を潜めていると、
下の隙間からボーイが来るのが見えた。
ボーイ「お客さーん、どうしました?」
とっさに俺は声色を変えて、吐くフリをした。
俺「うう~大丈夫でず~ぎもぢわるぐで~」
ボーイは「また来ますね~」
下の隙間からボーイが去ったのを確認して、個室を出た俺は、
頭の中で逃走経路を確認しつつ周囲に注意しながらトイレを出ようとした
その瞬間、トイレの入り口にさっきのボーイがいた。
「ここで捕まったら、マジでヤバイ!!!893に半殺しにされる…」
最悪のシナリオが浮かんだ俺は、
渾身の力をこめて腕を思い切り振り回し、ボーイを突き飛ばした。
ボーイは尻もちをついて、その場に倒れた。
そのスキに俺も非常階段を猛ダッシュで駆け下りた。
若かったのもあるが、そういう時の人間ってマジで凄い。
物凄い速さで、3段飛ばしで階段を降りて、
俺ヤマカシなんじゃね?と思うほどだった。
ボーイも勿論「オイ!!」とか「待て!!」とか言いながら
追って来るんだけど、待つわけないw
とにかく走って走って走りまくって、
西武新宿線近くのマクドナルドあたりまで来た時に
もう平気かな…と思って、一息ついた。
先輩たちはどうしたかなと思ったら、
マクドナルドからK田さんが手を振ってたw
K田さんは「お前もうダメかと思ったよw」
とか笑ってたけど、俺も本当にダメかと思ったw
ちなみに会計は50万くらいだったらしいw
二度とキャバクラには行かねえと思った。
みんなもキャバクラには気をつけてね!