見知らぬ人の武勇伝というかGJ話だけど。
小学3年の頃、
同じクラスに親から虐待されてる奴が転入してきた。
口止めされてたみたいだけど
体育の着替えのとき体中に痣があったし、
見るからに痩せすぎだし風呂もろくに入れないみたいで臭かった。
服もボロだし、いつも陰気そうにしてた。
運動会のときが一番悲惨だった。
そいつの親だけ来てなくて、弁当もなし。
皆親と一緒に弁当食べてるのに
そいつだけ運動場の端の水飲み場で
ポツンと寂しそうに座ってた。
そしたら、何しに来てたのか知らないけど
怖そうな若い男数人がそいつに寄って行った。
ちょっと心配になって友達と一緒に様子を見に行ったら、
折り詰めかなんか貰ってて
なんで弁当ないんだとか親はとかいろいろ聞かれてた。
それから彼は学校に来なくなった。
電話しても誰も出ない。
一ヶ月くらいして、別人のように
さっぱりした格好で血色もよくなり
明るい顔をした彼が、さよならの挨拶をしに学校に来た。
父親と祖父母と暮らしていたけど、
母親のところで暮らすことになったという。
詳しくは聞けなかったけど、運動会の日、
例の怖そうな若い男数人が彼の家に来て
何かを父親に言ったらしい。
翌日いきなり母親が迎えに来て、
それからずっと母親のところで暮らしている、
と言ってた。
彼とは中学のとき再会したけど、
前の面影は全然なくてすごく明るくて元気で
面白い奴になっていた。
あのときの若い男たちが何者なのか
いまだにわからないけど、GJ!と思う。