ファミレスで「いらっしゃいませ、何名様ですか?」→「1人で」→結婚した

「いらっしゃいませ、何名様ですか?」 → 「1人で」
「それではこちらの席へどうぞ」 → 追従
「ご注文が決まりましたらボタンでお呼び下さい」 → 「はい」
えぇ、出会いはファミレスでしたよ。

当時の出向先に近いファミレスをよく昼食に利用していた。
ある日、昼食が取れないくらいバタついていて、
15時過ぎにメシ食いに行ったんだ。
そうしたらちょっと離れた席で、
お茶しながら読書している娘がいた。
「いつもご来店、ありがとうございます。今日は遅いんですね」

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ドリンクバーに立った際にそう話しかけられた。
どこかで見たことある娘だけど誰だったかと思ったら、
そこのウェイトレスだった。
その時は会話はそれくらいだったんだけど。
運良くとういうか悪くというか、昼食が遅れることが
割とよくある時期だった。
なので仕事上がりのその娘と会釈したりしているうちに、
徐々に話をするように。

その後、なぜか食事に行くことになり、さらにその後、映画に行くことになった。
「今やってる(映画名)、見に行きたいんですよねー」
「そ、それじゃ、一緒に行きます?」
「彼氏でもない人と暗い映画館は怖いなー」
これはもう誘導されていると観念した。
「俺と付き合って下さい!」
「いいですよー、映画いつ行きます?」

そこからは滞りなくお付き合い → 嫁家にマスオさん同棲 → 結婚。
後に「何で俺に興味持ったの?」と聞いたら以下の理由だったそうだ。

・野菜も何も残さず食べる → 好き嫌いがない!
・給仕の時に「ありがとう」支払いの時に「ごちそうさま」を言う → 良い人だ!
・食後にタバコを吸う人が隣席に子供が居たら遠慮してる → 優しい!
・特徴的な制服(作業着だけど)で市内でも大手の企業 → ちゃんとした勤め人

「うわーけっこう見られてる!」とか転げ回っちゃったよ。
俺としてはマナーとか礼儀の範疇だと思ってた。
勤め先については出向だから、実際には違ったんだけど。
それと「うちは父子家庭のせいかファザコンだから」って。
ちょっと納得、こんなオッサンに親しげにしてきた訳だ。
実は年齢がひと回り近く離れていたし、過去の恋愛でトラウマもあったし。
向こうにしてみれば「こんな良い人に奥さんや彼女が
居なくてラッキー」だったらしい。

マスオさんの理由。
相手は父1人娘1人の父子家庭。
それまでもその娘が働きながら家事をしていた。義父は家事ダメダメ。
結婚を見据えるなら、まず同棲してみてお互いに
生活が成り立つかどうか見極めろ、とはうちの両親の弁。
そういう理由で話し合い、義父と3人で同居。嫁の実家に転がり込む。
俺は1人暮らし期間も長く、家事はそれなりに出来たので、
風呂やトイレ掃除もするし、台所に立つこともしばしば。
相手は土日もお仕事だからね。
しかし義父にとって俺は珍獣みたいなものだったらしい。
「男のくせに」ってやつ。
でも相手には「助かるわー」と高感度アップだった。
まあ細かい習慣のすり合わせはあったけれど、同棲もまずまず良い感じ。

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そうなると次は結婚だ。
実はずっと義父には反対されていた。年齢差もあったから。
「許してくれないなら駆け落ちする」(同市内だけどなw)
「それも許さん!」
「んじゃ出来婚」
「そんな恥さらしな!」(義父は考えがかなり古い)
「じゃ、どうしろって言うのよー!」
「お前にはもっとお似合いの男がきっと居る!」
俺「ああ、自分は婿入りもOKですよ?」
相手の説得と俺のダメ押しで、義父陥落。

あと俺には恋愛にトラウマもあった。
20代の頃、婚約直前までいった女性に逃げられたことがある。
浮気相手と逃げ、その浮気相手に逃げられて舞い戻ってきた
元恋人が復縁を迫るという修羅場経験だ。
それ以来、もう恋愛はいいや、一生独身で結構とか思ってた。
それを話したらギュッって抱きしめてくれたんだ。
「大丈夫だよー、その傷が癒えるまで待っててあげるよー」
「ほら、私はまだ若いし!」
2人きりで居ると、まるで大きな息子と母親みたい。
普段は「父親と娘」みたいな感じなんだけどね。
「私は大丈夫だけどー、(俺)君は焦った方が良い年代かもねー?」
プレッシャーをかけることも忘れないし。
そういう理由で、実は婚約まで性的行為なし。キスも数回止まり。
ありがたい事に、相手も求めてきたりすることはなかった。

表立ってはな!

同棲から半年、のんびり生活していたら、しびれを切らしたのはうちの両親。
「結婚はまだか!」「孫が先でもかまわん!」
まあわからんでもない、俺も30過ぎて少し経つ。
なので相手の休みに合わせて休暇を取り、1泊2日の温泉旅行。
「結婚してください」
「はい、やっと言ってくれた」
けど息子は役立たず。心は吹っ切れても身体はダメみたい。
ひとつお布団で抱き合って眠り、翌日は宝石店で指輪選び。
「マジで3ヶ月分」って言ったら、「うわ、選び放題!」とテンションMAX。
相手も小市民なんで、結局そこそこの物に落ち着きましたが。

なんとか式までには息子も復活。
本来の役目を果たしてくれるようになりました。

お互い親族もそう多くはなかったので、式もコンパクトにしようと話していたら。
上司「後輩のこともある、身の丈に合ったものにしろ」と結構な大所帯になったり。
同僚「(出向を)お前に押し付けてなければ、
今頃は俺が嫁さんもらっていたのに」とか妬まれたり。(害意なし)
新婦友人「え?3×歳? オッサンじゃん!」とpgrされたり。
会社「新婚旅行行って来い!」と夫婦で東京に1年飛ばされたり。
(この頃には義父も身の回りのことはできるようになってました)
色々とありました。

ダラダラ書いていたら、かなり長くなった。
結婚までというとこんな感じ。
もう20年近く前のお話でした。
今や夫婦に3子に義父の6人家族。
終わりです。

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