元夫の誕生日祝いが最悪だった。
当時私は元夫の誕生日を盛大に祝おうと、
かなり前から準備し、
南の島へのバースデー旅行を計画。2泊3日で、2日目が誕生日だった。
泊まるホテルは島で一番高いリゾートホテル、
レストランの予約やケーキの準備など全て整えてた。
旅行のことを伝えると、元夫は大喜びし、
お互いとても楽しみにしてた。
そして無事に南の島へ到着。綺麗な海、
豪華なホテル、自画自賛だけど何もかも夢みたいだった。
1日目は楽しく過ごし、夜は予約してあった民族音楽を
ライブ演奏するレストランでディナー。
元夫のテンションも上がりきり。
美味しい食事とお酒をしこたま楽しみ、ホテルへ戻って寝た。
この時、2人とも酔ってたので、寝室ではなく窓際にあったディベッド
(月を見ながら寝そべったりできる素敵な物だった)で寝落ち。
それくらい酔ってたし疲れてた。
翌朝、誕生日当日。私は少しの二日酔いと喉の乾きと、
海に入ったままシャワーを浴びず寝たのでベタベタの身体が気持ち悪く、
半分まだ寝ぼけたまま、とにかく身体を洗いたくてシャワーへ。
数分すると、起きた元夫が入ってきた。無言。
元夫が機嫌の悪い時にする顔だった。
彼はモラ夫だったので、私はその表情に怯えて、
自分が一体何をしたのか必死に考えたけど分からない。
私が憎いとでも言いたげな顔で、「何かいうことは無い?」と聞かれた。
頭をフル回転させて考えた。
そうだ。まだお誕生日おめでとうを言っていなかった。
慌てて、おめでとうと伝えたけど遅かった。
起きてから、例え寝ぼけてようがなんだろうが、
1分でも誕生日であることを忘れたことが許せないと言われた。
それについては心から謝ったけど、許されなかった。
もう私1人では話の決着がつかず、
元夫がこの世で一番信用している元姑へ電話。
元姑が必死に元夫を説得。
その旅行自体があなたの誕生日祝いなのよ、とか、あなたの弟の彼女は、
弟の誕生日当日夕方まで誕生日だって忘れてたわよ、とか。
説得にかかった時間、3時間。
それでも元夫の気分は晴れず、
ただせっかくの旅行を無駄にしないようにと
なんとかホテルから外出して旅行を堪能しようと頑張った。
その夜。私は2ヵ月前から予約してあった、
海沿いのレストランへ元夫をディナーに連れていった。
手作りのバースデーカードを渡して、
楽しく食事出来るはずだった。
一通り食事が終わり、
花火がパチパチ光るバースデーケーキを、
店員さんが運んでくる直前だった。
元夫が私に言った。
「今日はそれなりに楽しんだけど、
それでも朝誕生日おめでとうと言ってもらえなかったから、
今日が誕生日とは思えなかった。
誕生日という特別な日じゃなくて、
ただの普通に楽しい一日だった。君のせいで台無しだった」
こんなに一生懸命計画したのに。
私はポロポロ涙をこぼし、
ただうつむいた。元夫は苛立った顔で、
「会計して」と言い出し、
ケーキを運ぼうとしていた店員さんはなにごとかとオロオロしていた。
かわいそうなケーキはテーブルに運ばれることはなく、
会計を済ませ、元夫は1人でホテルのバーへ向かった。
ついて行こうとしたら、ついてくるなと怒鳴られた。
1人で部屋で待つこと1~2時間。
乱暴にドアを開けて元夫が戻ってきたと思うと、
ベッドルームに入ってドアを閉めた。
中から、ボスッ!ボスッ!と柔らかい物を殴る音。恐らく枕かクッションを殴ってる。
それが数分続いた。その後しばらくすると、ジョロロロ~と水音。
ベッドルームには洗面台などはない。水のペットボトルもない。
まさか!と思ってドアを開けると、
なぜか元夫の姿はない。
恐る恐る、クローゼットの扉を開けた。
床に自分のポロシャツを置き、
そこに向かって放〇している元夫がいた。
あまりの衝撃に、なにしてるの?!と叫ぶと、
「うるさい!!僕のことは放っておいてくれ!!」
と怒鳴られた。
ちなみに結婚前はここまでおかしいことは分かりませんでした。
DVカウンセラーによると、被害者が加害者の要望に答え続けることで
どんどんハードルが上がって加害者のおかしさが助長されるとのことでした。
元夫はバッタリとベッドに倒れ込み、
いびきをかきはじめた。
翌朝、自分が何をしたか知ったら恥じて
傷つくかもしれないとその時は本気で心配して、
クローゼットを跡形もなく綺麗に掃除し、
汚れた洋服やタオルを洗いにホテルの洗濯室へ。
洗濯室には都会では見ない大きな虫がいて、
ここは南国なんだなと思った。
こんな所で私なんでこんなことしてるのかな、とも思った。
翌朝、なぜか割と機嫌の良かった元夫に、彼がしたことを告げると、
「えぇ?!ウソだろ!あはは!!」と笑い飛ばされた。
排泄物の片付けをした私に、ありがとうでもごめんねでもなく、
笑っただけ。信じられなかった。
帰りの飛行機で、口を開けて寝ていた元夫がかわいかったので、
写真を撮ったらすぐに起きた。
撮った写真を見せたら超絶不機嫌になった。
「すぐ消して」と言われて、寝顔なんて撮られて嫌だったのかな、と消した。
その時は理由を教えてもらえなかったけど、
後々「私にされて嫌だったこと」の話し合いでその時のことを言われた。
元夫の隣に座っていた知らない男性が写真に写り込んでいて、
それを私がわざとフレームに入れたから、という理由だった。
もちろんわざとではなくたまたま写りこんでしまったこと、
寝顔を撮るのに焦って、
隣の人が見切れるように配慮出来なかったことを説明したけど、
信じてもらえなかった。
隣に座っていた男性は、何もイケメンの若い人でもなく、
50代くらいのただのつかれたビジネスマンだったので、
そんな人に嫉妬する元夫が理解出来なかった。
嫉妬と言えば、元夫いわく私は通りすがりの男性を
「興味をもって凝視」する。または100歩譲ってそれが勘違いでも、
彼にそう思わせるのは私の責任なので、そう思わせない努力をしろと言われ、
外出時はなるべく地面を見て歩けと言われてた。
とにかくこういう、普通とは思えない衝突ばかりの誕生日だった。
というか誕生日だけじゃなく普段からそうで、これはただの一例。
私の誕生日も地獄のような一日にされたけど、もう書ききれない。
とにかく別れられて幸せです。
目覚めたっていうようなかっこいいものではないんだ。
元夫は、医者から出された向精神薬を飲んでたんだけど、
ある時元夫が職場の人たちに「妻がいかに自分を傷つける悪い人間か」
を話したら、満場一致で「それ奥さん悪くないじゃん」と言われたことに立腹。
自分はあの女のせいで頭がおかしいと思われてる→あの女がいなきゃ
こんな薬も飲まなくていい→医師の判断なしでやめてはいけないと
言われた薬を勝手にやめる→なんとなくみなぎってきて、
もう離婚だ!となる
で、一方的に離婚を突きつけられ、家を追い出された
。結果的に私は助かったけど。1年後くらいに、
「自分は頭がおかしいと思う。助けて欲しい」みたいなメールがきてた。
一見すごく誠実で真面目で家庭向きの人に見えました。
実際彼を親しく知らない人達(ご近所さんや行きつけのレストランの人)は、
本当にいい人だと信じてたし、反対にもっと踏み込んで知ってる
職場の人達からは毛嫌いされてました。
今は再婚して幸せです!普通の人と暮らすとこうも平和だなんて、
本当に良かったです。