「やっぱあのアパート変やで」

知り合いのおばちゃんに聞いた話。

おばちゃんは若い頃、木造のアパートに住んでいた。
ある朝目覚めると枕元がぐっしょり濡れている。

雨が吹き込んだにしても窓から布団は離れているし、
雨漏りした形跡もなかった。
おかしいなーと思いつつトイレへ行き用を済ますも水が流れない。

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レバーを何度もがちゃつかせたけど
一向に流れないので、
大家さん(水道関係の仕事をしていたらしい)に
連絡して来てもらった。

んで大家さんがレバーを回すとあっさりトイレの水は流れた。
この時はただ調子悪いのかなとしか思わなかったけど、
その後アパートを出るまで
トイレ流れない→大家がやると成功、というのが頻繁に続く。

とにかく水になんかあるアパートらしいのだが、
一番不可解なのがこのエピソード。
ある日おばちゃんが洋服ダンス(5段ある)の上から3番目を開けると
中がちゃぷつくぐらい水びたしだった。
中の服を絞ったらダーッと滴るくらい。

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どっから水漏れ!?と思い、
上の2段目を開けるもカラカラ。水の気配はまるでない。

んでさらに不思議なのが、
3番目の引き出しがびっちょびちょなら4番目に漏れてても
おかしくないのに、4番目もカラカラで湿り気すらなかった。

相変わらずトイレは流れないし、
この一件で気味が悪くなったおばちゃんは大家さんに
アパートを出たいと申し出た。

まだ住んでから1,2ヶ月しか経ってなくて、
違約金なしに出るには日数が足りなかったけど
大家さんは事情(トイレ)を知ってるしすんなりうなずいてくれた。

おばちゃんが退室後、その話を聞いた友達が
「んなアホな。私が住んだる!」とその部屋に入居。

んでも結果はおばちゃんと一緒で友達も
2ヶ月と経たない内にアパートを出てしまった。
「やっぱあのアパート変やで」と友達も言っていて、
大家さんにいわくつきなのか聞いたけど、
心当たりはないらしく謎のまま。

タンスのくだりが不思議で好きな話だけど、
おばちゃんの友達が一番謎。

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