大した話じゃないけど。
ちょっと変わった仕事をしている知人から
「宇宙へ行ける瞑想法」と言うのを教わった。
その方法と言うのが
自分の胸と下腹に「光る球」があるようなイメージをする。
やがてその球がだんだん大きくなり、
ふたつの「球」がひとつになって、
自分自身を包み込むほどの大きさになる。
この大きな球のイメージを保つことができるようになった時、
肉体から魂が離れて宇宙に行けるようになるという。
知人の「あなたならできるからやってみて。」
という言葉がうれしくもあり、
私もちょっと興味があったのでこれを試してみた。
だが、「二つの球」のイメージを保持するのは本当に難しい。
瞑想に疲れてそのまま寝てしまうことが何度もあった。
そんなある日、鍼灸治療を受けて少し疲れたので
昼寝でもするかと横になった時、
ふと思いついて件の瞑想法を試してみた。
その頃には二つの球のイメージを保持できるようになり、
球が光りながらくるくる回っているのを感じるほどだった。
だけどまだまだ肩に力が入ってしまい、リラックスには程遠い。
もう疲れたなぁ~と息を吐いた瞬間、
信じられないことが起こった。
光の球がぶわっと一気に大きくなったと思ったら、
ぽ~んとはじかれた感じがして部屋が急に真っ暗になった。
えっと思い周りを見たら自分が宇宙空間に横たわった状態で浮かんでいる。
右手のほうに図鑑で見たままの地球があって、それを見た瞬間
私はものすごく怖くなった。
怖いっと思ったとたんに今度は一気に体が下へ落ちてゆく。
瞬きほどの間に私はソファの上に戻っていた。
私はこの出来事で一つ学んだ事がある。それは、
魂の状態でむやみに宇宙に行くもんじゃないって事。
その不安定さにしばらくトラウマになってしまった。