小学生の頃。
ひとつ上の姉と連れ立って帰宅途中、
近所の川の向こうに祖父母がいた。
自転車に二人乗りしてどこかに出かけるところだった。
爺ちゃんスーツ、婆ちゃんワンピース。
二人とも見慣れないきちんとした服装してた。
お婆ちゃんは荷台にちょこんと横座り。
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いつもと違う雰囲気に、幼い二人は首をかしげつつ 、
「おじいちゃーん、おばーちゃーん」と声をかけたら 、
爺ちゃんは手を高く挙げ、お婆ちゃんは笑顔で
見慣れた表情ででそれぞれ手をふってくれた。
一体どこ行くんだろうと話しながら
家に帰り着いて玄関を開けたら 「おかえり!」と声がして、
いつものもさい格好をした爺ちゃんと婆ちゃんが部屋の中から出てきた。
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びっくりして必死に何とか今そこで会った事実を伝えたかったんだけど
爺婆はもちろん、 子供の戯言を笑って聞き流していた。
あれは誰だったんだろう。
うちはその当時町の一番端の家で、 畑ばかりだったから、
人違いなんて有り得ないと思った。
記憶のイメージでは、 昔の爺婆の姿をタイムスリップ?して見たような
若々しい二人だった。
優しかった二人とももうあの世にいっちゃったけど。
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