祖母の財布から頻繁に金を抜いていた私に認知症になった祖母は・・・

先日祖母が亡くなった。
大往生の末老衰だったんだけど、
最期は家族で看取りたいと決めて自宅介護をした。
認知症があり寝たきりで、
最期に近付くにつれ会話もままならなかった。

十数年前に私が中高生の頃、
家庭内不和に耐えられずに恥ずかしながらヤンチャしていた自分は、
祖母の財布から頻繁に金を抜いていた。

それに気付いた祖母が両親に

「泥棒だ、金を抜かれている」

と訴えた。

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でも今思えば両親は恐らく犯人が私であると
気が付いていて、警察を呼ぶでもなく、
だけど問い詰めもしなかった。

祖母はそれから数年経って認知症になった。
認知症にはよくある事かもしれないけど、しょっちゅう

「金を取った奴は許さない、泥棒!」

と幻覚を見ている様だった。
私は改心して介護に励んだけれど、
祖母が呆ける度に申し訳なさでやりきれなかった。

でも何故か祖母の最期の数ヶ月、
祖母は私を見るといつも微笑んでくれた。

本当に、何でか分からないけど
家族の中で私の顔だけが祖母のツボらしく、
顔を合わせる度にケタケタと喜んでくれたんだ。
それこそ死ぬ数日前まで、意識がある内はずっと。

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私は普段は家を出て暮らしているから、
たまたま一旦そっちの自宅に戻ったその日に、
祖母が死んだ。

死に目に会えなかったのは、
自分が祖母の金を盗んだからじゃないかって、
涙が止まらなかった。
冷たくなった祖母に、心の中で謝りまくった。

ばあちゃん、ごめん。
あんなに笑ってくれたのに、ばあちゃんの大事な金盗んだの私なんだよ。
純粋に介護してたんじゃなくて、申し訳なさとか償いみたいな気持ちでごめん。
だけどずっと傍で介護させてくれて、
私の顔見て笑ってくれて、ありがとう。

私がそっちに行ったら、もう一度謝ります。
また馬鹿モンって叱って下さい。

誰にも本当の事が言えなくて、死ぬまできっと言えないヘタレなんで
ここに書かせてもらいました。

そうだったのかもしれない。
分かっていたけど言わなかったのかもしれない。
でも直接謝れなかった事がずっと引っ掛かっていたから、
そう言って貰えて少し気が楽になったよ。
ありがとう。
ばあちゃんが死んでしまった今何も出来る事はないけど、
伝わってると信じて頑張ります。ありがとう。

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