
小学生女子だった私は、
その日学校主催の廃品回収に参加し、
民家の玄関先に出してある古雑誌や古新聞を
集積場所に持っていく作業をしていた。
途中、近所のゴミ捨て場にカバンが捨ててあるのが
目に入った。
ゴミの日でもないのにカバンだけポツンとあったので、
なんとなく気になってフタを少し開いたら、
雑誌がギッシリ入っていた。
表紙や背表紙は見えなかったものの、雑誌がたくさん、
ということは判ったので、
「ゴミとして捨てるより資源にした方がいいはず!
廃品回収に持っていこう!」
そう思ってフタを閉め、古紙の集積場へとカバンごと持っていった。
集積場にカバンごと雑誌を置くと、
私はすぐ民家の玄関先から古新聞を運ぶ作業に戻った。
再び集積場へ戻ると、何か騒ぎになっていた。
「カバンからいかがしい本めっちゃ出て来た~!!(゚∀゚)ノ」
と男子達が・・・
そう、私が持っていった雑誌入りのあのカバン・・・!
カバンごと古紙回収には出せないので、
監督にきていた保護者が雑誌をカバンから出して
ヒモで縛りなおそうとしたところ、
ギッシリ詰まった中身は全ていかがわしい本だったらしい。
もの凄く恥ずかしかった・・・。
幸運にも、私がカバンを持ってきたことは
誰も見ていなかったらしい。
もし私が持ってきたことがバレたら男子達にはからかわれ、
保護者や先生には怒られるだろう。
親にはもっと怒られるだろう。
罪悪感はあったが、私はそ知らぬふりをした。
騒ぎにはなったものの、
その後保護者や先生はそれ以上追及しようとはしなかった。
廃品回収に協力してくれるのは近所の人だから、
いかがわしい本出した人が判明したら気まずいだけだからだと
思う。
今まで誰にも言わなかったけれど、
あの時騒ぎを起こしてごめんなさい。
ゴミ捨て場にある物は「捨てる理由がある」
ということを痛感しました・・・。