そもそもの嫁との馴れ初めの始まりは
俺母と嫁母が会社の同期だったこと。
勤めていた時はそこそこ仲の良い普通の同期だったんだけど、
お互いの嫁ぎ先が徒歩の距離で、
寿退職した後はそれこそ毎日のように顔を合わせるくらいの
親しい関係になったらしい。
でもってそんな二人がほぼ同じ時期に第一子を懐妊。
十月十日が経過して、まず嫁母が嫁を出産、
それから6日後に俺母が俺を出産した。
前述の通り母親同士が親しくて家ぐるみのつきあいがあったから、
俺が嫁の家に行ったり
嫁が俺の家に来たりが頻繁にあって、
物心ついた頃には既に二人一緒に居るのが当然の関係だった。
そんな俺たちはずっと一緒のまま、
幼なじみから恋人になって夫婦になって親になって今に至るんだけど、
その過程に関しては読んでくれてる人には申し訳ないけど
ドラマっぽい要素は全然なかったと思う。
例えば俺たちは幼稚園から大学までずっと同じだったんだけど、
幼稚園は親たちの選択の結果だし、
小学校と中学校は学区が一緒だったので
その公立学校に行っただけ。高校と大学に関しては、
似たような成績の俺たちが自宅から通えるという条件を付けたら
選択肢は一つしかないという感じで、
一緒の学校に進学するために二人力を合わせて
頑張ったとか言う話は皆無だった。
恋人同士になったり結婚に至る過程にもドラマ性は皆無で、
付き合い始めたのは中学三年の秋に学年全体で
告白ブームみたいなのがあったときに
「なんか最近告白が流行っているみたいだから、
俺たちも付き合うことにしようか?」
「そうだねぇ、そうしようか」
ぐらいの軽いノリで恋人同士になってしまった。
付き合い始めたからって俺たちの様子が変わることもなく、
わざわざ付き合い始めたことを言いふらしたり
もしなかったので、周囲にほとんど気づかれることもなく、
卒業の時に打ち明けたら、
「そんなの言ってくれなけりゃ判らねーよ!」
と友人達から文句を言われた。
結婚を決めたのも、大学卒業して就職して3年目くらいになると、
友達とか会社の同期とかの結婚が相次ぐようになったので、
俺たちもそろそろかねーくらいのこれまた軽い気持ちで
結婚を決めてしまった。
もっともさすがにこれだけだとあれなので、
嫁の希望を尋ねた上で海の見える夜景の綺麗な公園で
ちゃんとプロポーズして
結婚の承諾をもらったけれども、
その後双方の両親に報告した時も、
割とすぐにそれじゃあ式はいつ頃にしようか
式場はどこがいいかみたいな話になって、
俺たちが結婚すること自体に関する反応は薄かったような気がする。
なんかこんな風に書いていると、
俺たちがひたすら流れに流されてきただけのように
思えるかもしれないけど、
そしてそう言う面もあったことも否定しないけど、
でも必ずしもそうではなかった面もあって、例えば小学校高学年くらい
だと冷やかされるのが恥ずかしくて女子とは
距離を置いたりするものらしいけど、
俺はその頃も嫁から離れるつもりは全然なくて、
男友達から冷やかされても蛙の面に水という感じだった。
あと俺たちの周囲だと高校で初行為を卒業した奴も結構いたんだけど、
俺と嫁がそう言う関係になったのは大学を卒業した後のことだった。
別に二人とも特段奥手というわけでもなくそう言うことに
関する関心も人並みにあったけど、
友人達からその手の話を聞いても他人は他人俺たちは俺たちという感じで、
他の奴等の影響を受けることはなかったな。
ただ、そんな俺が嫁をうまくリードできるはずもなく、
初体験の時やその後しばらくは嫁に
大変な思いをさせてしまったのは申し訳なかったと
思う。あと遅かった反動が出たのかしばらくはかなり盛ってた気がするし、
その影響は長く続いたというか今も続いているような気がするw。
なんというか俺たちは物心ついたときから隣にお互いがいて、
その状況が心地よくてずっと一緒にいて、
そしてこれから先どちらが先になるかは判らないけ
ど死ぬまで一緒にいるんだと思う。そんな感じだからドラマらしい
ドラマのない人生なんだろうけど、
世に溢れ帰っている修羅場話とかを見ていると、
俺たちは幸運なんだなと思ったりもする。
ただ一つだけこんな人生で損をしているというか
経験が足りないと思っている
ことがあって、それは何かと言うと、
俺と嫁はこんな感じだから二人とも恋愛したり
失恋したりという経験が皆無な訳。
そのこと自体は、たとえ普通に恋愛していたとしても、
嫁ぐらいお互い良く分かり合える相手と
めぐり逢えただろうかと思うから別に良いんだけど、
子供たちが思春期になって色恋沙汰で悩み出した時に、
恋愛経験値ゼロの俺たちでは充分に
対応出来ていなかったという思いがある。
実際長女が高校生の時に恋愛のことで
嫁に相談したことがあったらしいんだけど、
嫁は自分だけでは対応しきれなくて
嫁友や嫁妹や俺妹に助けてもらったらしい。
まぁそういう点では親として子供たちに申し訳なかったと思う。
それでも子供たちも全員健やかに育ってくれたし、
双方の実家の付き合いが長
いから嫁姑問題などとは全く無縁だったし、
こんな風に嫁とめぐり合わせてく
れた神様には感謝したいと思う。
俺たちと同じく幼なじみの旦那と結婚した長女が、
昨日の朝元気な男の子を無
事出産して、二人揃ってじじばばになったので記念カキコ。
> とりあえずはじめて嫁に性的なものを感じたときのことでも聞こうか
今つらつら考えてみるに、俺の中ではかなりの時期まで世の中の人間が「男」
「女」「嫁」の三つのカテゴリに分かれていて、嫁のことは特別扱いだったと思う。
だから例えば、小学校高学年〜高校くらいの間俺はあんまりクラスの女
子とかと気軽に話せなかったんだけど嫁とは普通に話していたし、
あと小学中学の恋人同士になる前でも嫁と手をつなぐのは普通のことだった。
小学校高学年の頃はそのことで周囲に冷やかされたりしたけれど、
中学では周囲にもこれが俺たちの通常モードなのだと
認知されて冷やかされることもなくなった。
その状態で本当に嫁に性的なものを
感じていなかったのかと問われると自信がな
いけど、そこから俺の中で「嫁」というカテゴリが消滅して
嫁が「女」の一人
になったのは多分二十歳を過ぎてからで、
それでようやくということだったと思う。