妹夫婦の事
前提として妹は料理を作るのが滅茶苦茶早い
これは自営業共働きの家庭で備わったスキルなんだけれども、
オムライスとか慣れている物なら15分も待たずに出てくる
見た目も雑じゃないし
お店並っていうとほめ過ぎだけど不味くはない
そんな妹が一昨年結婚した
相手は美味しい食事が大好きな男性
色々食べ歩くのが趣味らしい。
子どももまだだから妹もバリバリ働いてるし、
自分の稼ぎのうちでやっているらしいから
妹も彼の美食趣味に文句はない
この旦那さんのおかげもあってか
妹の料理スキルはめきめき上達して、
姉のひいき目だけど
早くて美味しい料理を作れるいい奥さんになった
ここまでが前提
そんな旦那さんが正月明けに、
妹に仕事を辞めて料理教室に行ってほしい
みたいなことを言い出したらしい
理由は自分が家庭でもっと美味しいものを食べたい
&将来的に自分プロデュースの喫茶店を開きたいから
旦那さんのお母さんってひとは
音大卒でピアノが出来るらしいんだけど、
ママンのピアノを聞かせて、
奥さんの料理を出すお店を作るドリームを
いつの間にか育てていた
速くて美味しい料理をだせる妹は
僕の喫茶店の料理人にぴったり!
僕の見立てに狂いはない!
と盛り上がっているらしい
けど好きな業種に就職できた妹は断固拒否
妹の職場は産休もきちんとしているから、
百歩譲って
「産休の間に料理を磨くなら」
みたいな譲歩案を出したらしいんだけど、
「子供がかわいそうだ」だのなんだの言って
旦那様は拒否
余りに理由がくだらなすぎて、
離婚と言い出すこともできずに妹は途方に暮れている
旦那のドリームについて
ちょっと省略したことがあるので補足で
旦那ドリームの全容はこんな感じ↓
まず妹に仕事を辞めさせて本格的な料理学校に通わせる
出店費用はどう算出したのか知らないけど
夫婦の貯蓄&両親の貯蓄
(うちも含まれてるのかな?)でまかなう
お店が軌道に乗ったら、旦那も仕事をやめて
喫茶店主として本格的スタート
旦那は喫茶店で何をすると思う?
コーヒーを淹れるんだってさ
コーヒーの淹れ方なら
仕事をしながらでも極められそうだからって
美味しいコーヒーと美味しい食事、
良質な音楽がコンセプトらしい
申し訳ないけど頭に豆でも詰まってんのかって思ったよ
確かに夢をもつって素敵かもしれないけど
誰かを犠牲にしちゃだめだよね
だったらお前がやれよって話だし、
妹は嫌がってるわけだし
妹の義母って人にはまだ数回しかあったことないけど、
とってもほんわかしていて
いい所御嬢さんだったんだろうな、って感じ
トメトメしい話も聞かないし、
本当に良い人なんだろうとおもう
義母のピアノの事も聞いたけど
義母自体はそれほどドリーマーではないっぽい
ただ、毒にも薬にもならない感じ
「あらあら、そうなの?
ならお母さんピアノ練習しておかないと」
っていう冗談とも本気ともつかない感じらしい
妹の読みではそれほど乗り気じゃないんじゃないかって
この喫茶店の話題が出たのが
正月に義実家に顔を出した時で
(今年の目標は?みたいな話題を振られた時に
旦那の抱負が「喫茶店の開店準備を始めます!」
みたいな感じだったらしい)
義母も寝耳に水って感じだったらしいから
義母の発案ではないっぽい
妹の義母と旦那の思考を見ると分かると思うんだけど
義弟はそんなにお金にお金に困ったことのない家庭の人
対照的にうちは自営業
妹は
「自営業っていうのは難しいって親をみているから思うし、
とてもじゃないけどやりたいと思わないの」
って言ってる
あと旦那は若干うちの両親を
あてにしているところがあると私は思ってる
金銭的にとかじゃなくて経済感覚みたいなのを
ずっと自営業をやってこれた人の娘さんだから
大丈夫!大丈夫!みたいなね
裏を返すと、
妹はそういうセンスが自分にないと思ったから
会社勤めの道を選んだんだけど、
分かってもらえないんだろうな
うちの親に言ったら
「止めちまえ、別れちまえ」って言われるのが
目に見えてるような話なんだけどね
幸い義父は真面そうな人だから、
妹旦那が大量に持ってきた
本格的な料理学校のパンフとか持っていって
「ちょっと旦那が本気みたいで困ってる」
って相談しておけって言っておいたよ
こういうのは親に止めてもらうのが一番いいだろうし
自分の店を持つって事を
義弟は甘く考えすぎていると思う
でも義弟にその話を聞かせても
前半部分を都合よく解釈して
「つまり成功する人間も中に入るって事でしょ?」
って言うよ
だって自分の食いぶちを
コーヒーで稼ぐっていってるんだよ?
チェーン店が溢れるこの時代にさ
そりゃコーヒーが売りの喫茶店は
この世にたくさんあるけどさ。
その沢山の中に入れるぐらいの腕を
持ってから言えっていいたい
正直腹立たしいよ。妹の人生どうするつもりなんだって
妹に連絡取ってみたら、
義実家に早々に連絡を入れていて、
今週にでも夫婦そろって話し合うみたい
料理学校の事とかを義両親に相談したらしいんだが、
なんだか最初は話がかみ合わなかったそうだ
それもそのはず、
義両親も変な時期に変なことを言ってるな、
とは思ったらしいんだけど、
妹夫婦が定年した後とか、
いつか生まれる子供が自立した時とか、
もっと遠い未来のことを言ってるんだと思ったらしい
まあ就職&結婚してまだ数年の若夫婦が
そんなことやろうとするなんて思わないよね
義母もピアノ云々の話は
「自分が定年するころまで元気でいてね」
っていうエールみたいなものだと取ったらしいよ
だから妹の料理学校も、仕事を辞めるとかじゃなくて
遠い未来のために細々と片手間で
準備していくようなものだと思ったようだ
本当に「出来ればいいな」程度の
将来目標だと思ってたんだろうね
仕事を辞めろと言われているんだと妹が打ち明けると、
思いのほか深刻だって事に義両親も気付いて
「それは幾らなんでも酷いから、話し合おう」
ってことになったらしい