家族でお出かけ中「ちょっとお父さん借りるから一緒に待ってようね」

私の住んでる地方は全国ニュースで
凶悪事件だったり発砲事件を報道されたりしたけど
893は昔から地元では身近というか普通にいる存在だった。

もちろんお近づきにはなりたくないけど
同級生の親がそれとかザラだった。
ある日お父さんと妹と私で
買い物に行ったデパートを出たところで
「おい◯◯何してんだ」と
そういう方々に取り囲まれた。
お父さんに詰め寄り「よく顔を出せたな」とか
意味不明の言いがかりをつけて
どこかに連れて行こうとして、

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お父さんは真っ青な顔で「勘違いでは?」と
私と妹は恐怖で半泣きしながら
お父さんにすがりついてた。
その人たちが私たちを引き離そうとして、
普段声を荒げることのないお父さんが
「子どもに触るんじゃない!」って私たちを庇って
893にむなぐら掴まれたりしてた。

「ちょっとお父さん借りるから一緒に待ってようね」と
893の人たちの私と妹への態度が終始優しかったのも
得体が知れなくて怖かった。

恐怖で気絶しそうなときに
「待て待て何してんだ」と
サラリーマン風のおじさんが割って入ってくれた。

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その時は893を監視してる刑事とかが
助けに来てくれたかと思って安心したけど、
後から893の偉い人だったと聞いてびっくりした。
そのおじさんが893の人たちを叱ってくれて、
お父さんに
「ご迷惑おかけしてすみません。
後日お詫びにあがります」と言ってたけど
お父さんは頑なに拒否して
(その時は私は相手が刑事だと思ってたから
なぜ拒否するのか不思議だった)、
警察に連絡して
後日警察署で会って話すってことになってた。

言いがかりの理由だけど、向こうの話から推測するに
お父さんが破門された元仲間に風貌が似てて
偶然名字が同じだったから
勘違いして制裁しようとしてたっぽい。

893
「七三メガネデブで名前◯◯っていうから」
おじさん
「そんな人いっぱいいるし。
お前◯◯さんに会ったことないだろ」
893
「でも◯◯っていいましたよ」
おじさん
「知らねえよ。
俺が◯◯さんじゃないって言ってるだろうが」
って会話してた。

おじさんが謎の◯◯(名字)にさん付けしてるのに
部下っぽい893が呼び捨てにしたりとなんか変で怖かった。
893たちが引き上げた後
お父さんが虚ろな顔でへたりこんで静かに泣きだして、
三人でしばらくそのまま抱き合った。

家に帰ると憔悴した私たちにお母さんが驚いてて、
話を聞いてお母さんも泣いた。
その後は関わってないけど
通報して警察の人が家に来たこともあった。
それ以来お父さんは家族で旅行するときも
別便で単独移動したり車から出なかったり、
私たちが独立した今でも
家族で出歩くというのをしなくなった。

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