ある披露宴での出来事。
私は新婦の大学時代の親友。
ノミのハートの私がスピーチに指名されて
カチカチに緊張して順番が来てマイクの前に立った。
ら、背後から衝撃を受けて天井が真正面に見えた。
私がいるはずのスタンドマイクの前に
30代のおばはんが立っていた。
パニックで酸欠の金魚状態の私、何も言えない。
おばはんがマイクを握った。
「新婦さん、私の夫を不倫して奪っておいて、
別の人と結婚おめでとう！！！（←シャウト）」
司会役の友人も会場の人たちも
とっさのことに何も言えなかった。
異常事態の中で我に返った会場スタッフが
彼女を排除しようと動き出した時、
彼女が「他人の夫と関係してた証拠はこれじゃああああああ」
って写真をバラ撒いた。
「他人を不幸にしておいて結婚おめでとう、キャハハハ」。
動き出したはずのスタッフも固まっちゃった。
私はようやく身を起こして周囲を見たんだけど
新婦は真っ青な顔して気絶寸前、新郎両親は爆発寸前。
そうしたら新郎が立ち上がって、
大きな声で彼女に話しかけたんだ。
まず、つらい思いをしたんですねって。
会場はますますシーンとしちゃって。
彼女も一瞬言葉が出なくなったようで、会場を沈黙が支配した。
文章下手だな。雰囲気伝わらない。書くのって難しいね。
でも続けさせて。一旦切る。
８３０です。間を置いてすみません、
子供の昼食作ってました。
続けさせてください。
–ここから続き–
ひな壇から新郎は続けてしゃべり続けた。
静まり返った会場の中で誰も黙って聞くしかなかった、
彼女（乱入女）さえも。
でもね、写真は合成もできるから、
いきなり見せられても、本当かどうか信じられないよね。
もし写真が本人だとしても、
一緒に写っている人があなたのご主人なのかどうか、
この会場に集ってくれたお客さんの誰にもわからないよね。
みんながわかるのは、
あなたがこの結婚式を妨害したいことだけなんだよ。
他人に信じられないってつらいよね。
あなたはご主人を信じられなくなって、
つらい思いをしたんでしょう？
ここで騒いでも癒やされないよ。
癒やされる方法って一つしか無いよ。
貴方自身が幸せになるしかないんだよ。
（そしてすごく憐れんだ声で）幸せにおなり。
ほんの少しの間を置いて、
彼女（乱入女）が「うわああああああああん」
って泣き叫んでダッシュで出て行った。
新郎は司会者に「さっ、続けましょ」と言って、
披露宴続行を指示。
司会者に
「では改めて新婦友人の◯◯さんのスピーチです！」
って振られたけど、
ここまで床に転がったままだった私が不幸な披露宴。
乱入女にも不幸な披露宴だったと思う。
抜けていたことをいくつか書いて終わりにします。
結局私のスピーチはできずにお色直しになったんだけど、
新郎だけ先に戻ってきて説明があったです。
超カンタンに
「新婦は結婚詐欺を撃退したけど
男の妻（乱入女）の逆恨みを受けていた」って。
新婦は騒動のさなかは顔を覆って泣いてました。
お色直しの後も目が腫れていたから
やっぱり彼女が一番不幸か。
両家親族が大量に座席を外して揉めていたけれど、
挙式後１年以上たっても夫婦仲良くやっているから、
バッドエンドにならなくて本当に良かったと思ってます。
