職場のことだけど。
昨年の春から、私の職場に
新しい管理職がやってきた(以下、店長と書きます)。
店長はうちの職場のやり方を色々と改革。
今までなあなあで緩くやってたことを、
いわゆる手続きの見える化、合理化、ミスの防止を徹底化。
私を含む20代~30代位までの人は、
「まあ、今時こうなるのが当然だろうな」
と納得して受け入れられたんだけど、
上の年代の人たちは反発。
「今までの慣習を続けろ!」
「うちのやり方にそぐわない」と文句たらたら。
そして、店長自身がすごく優秀で、
どんな些細なミスも見落とさない。物腰は穏やかだけど、
仕事に対して徹底的に厳しく追及してくることから、
ますます年配、ベテランの人達は不満を溜め込んでいった。
そんなある日、店長が仕事中の皆に、差し入れと称して、
お菓子を配ってくれた。ちょっとした焼き菓子。
年配の職員達は
「ふーん、あの人が差し入れねー」
「何だよ、ご機嫌取りか?」
と皮肉。そして、食べて無言になった。
私も食べてみてびっくり。美味しい、すごく、美味しい。
店長が「私のお気に入りの店なんですよ。どうです?」
と言うと、あちこちからボソボソと、うん、まあ、美味しいです…
という声が上がった。
それからたまに、店長は皆にお菓子を差し入れる。
頻度としては一月に一回位なんだけど、
それがどれも美味しい。
例えば、お饅頭をくれた時なんかは、
年配の女性職員が
「やだ、私アンコ嫌いなんだけど」
と文句を言ってたんだけど、
「うん、まあ、これは食べられるわね…」
と言いながら二個も食べていた。
話を聞くと高級品というわけではなく、
店長が納得して気に入ったものを買ってきている。
しかし、お菓子の差し入れのタイミングがいつも絶妙で、
丁度皆の不平不満、疲労が溜まる頃合いに差し入れてくる。
この間の夏は、皆が暑さに参って時に、
「ガリガリ君買ってきましたよー」
と大量にガリガリ君を持ってきてくれた。
偏屈なおっちゃん職員が
「俺、店長嫌いだけど、店長の差し入れは大好き」
と言いながら、真っ赤な顔でガリガリ君を頬張っていた。
店長はお酒が飲めない人で、店長が来てから
職場の飲み会は最低限しかなくなった(歓迎会や忘年会みないなものだけ)。
それも年配職員からの批判の的になっていたのだけど、
店長はその代わりと、たまーに、何人かずつランチに誘ってくれる。
事前に皆の好みを聞いてくれてるせいか、
美味しくなかったことはない。
常に美味しい。店長は食べ物やお店のウンチクを語るのだが、
面白いのでついつい聞いてしまう。
仕事の話は一切しない。そして、店長は誰よりも食べる。
痩せてるのに二人前必ず食べる。びっくり。
相変わらず店長の陰口を叩く職員は多いけど、
「この間のラーメン美味しかったし勘弁してやるか」
等々言いながらなんだかんだと従っている。
実は最近うちの職場は業績が良い。
男の人でも「胃袋を握る」ということが出来るんだなーと
衝撃を受けている。