893「ゴルァーーー出て来いー」「母何してるの、うるさい」

俺一人が修羅場だった話。
長くて読みにくいけどゴメン
家族は俺と両親の三人、自営業。
父は短気でお化けが大嫌いだけどチキンではない。

母は優しい働き者。俺は完全チキンな18才。
老朽化と商売の関係で家を
建て替える事になった。
で近所に借家を借りて仮住まいする事に
その借家が凄いボロで、
トイレが水洗な事だけが救いだった。
そこは平屋のちっこい家が二つくっいたような
感じで片方には先住民がいた。

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引越しの時、友人二人に手伝ってもらった
(二人は同じ中学)で引越しも終了して
父がお隣さんに
「お騒がせしました。終わりました」
って挨拶したらお隣住人が出てきた。
おやじらしき人はもろチンピラですって感じ、
母親らしき人は水っぽい。
その他子供らしき若者三人。
らしきって書いたのは家族感みたいのが
無くて、なんかグループって言うか
一個小隊って言うか
不思議な感じだったから。
でもそのおやじは「そうですか、ご苦労さん。」
とか言ってニコニコしてた。

ただ、眉毛が竜の刺青だった。
母は後からあれ見たかとか言って
一人でテンション高かった。
そうこうしてたら子供らしき若者が
友人に声をかけてきた。
「○○久しぶり」とか、二人は驚いてたけど
挨拶程度してお開きになった。
友人が帰り際俺に
「あいつらヤバイ、関わるな!
さっき話しかけて来たヤツは同じ中学だったけど
サッ傷事件起こして特殊な施設に行っていた。
出てきてるとは知らなかった」
友人二人はとにかく気を付けろ、
こんな所に信じられんとか言って帰って行った。
でもそれから特に問題も無く、
家がボロな事を除けば平和だった。

ある時学校から帰ると、
母が「お隣引っ越した。
何か夜逃げみたい感じ、お昼だから昼逃げだー」って
一人で受けていた。俺は心配の種が無くなった、
あー良かった。なんて能天気に安心してた。

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所が三日程してから
修羅場が車に乗ってやって来た。
晩飯食べてテレビ見てた。父は煙草吸ってた。
外に車の止まる音がした。
父は俺見て「友達か」って顔した、
俺「んっ」って首を横に振った。
その時ドン、ドンって二人降りて来た。
次の瞬間「ゴルァーーー出て来いーー」
ドカッドカッ叩くと言うよりなぐる感じ、
ドーン バリーン ガチャンの繰り返し。
字にすると伝わらないけど
それはもうド迫力。俺は固まった、
一瞬でマイナス40度。
そしたら父がうるせーなって煙草消した。
俺「えっ」おやじちょっとって思った時、
母が隣家に向いてる窓開けてた、俺失神。
母「ちょっと、何してるの、うるさい」
893B「素人さんには迷惑かけないから引っ込んでいてくれ」
ガクガクしながら
「ひぇー本当にそんな事言うんだー」と思った。
その時893Bは物干し竿を窓に突っ込んでグリグリしてたとか。
母「引っ込んでろとは何事か!」
とか言った時893Aと目が合ったそうな
893A「えっ、あれ、何で・・」キョドリ出して、一言
「姉さん何でこんな所に・・」
俺ポカーン、父リラックスして煙草吸ってた。
仮住まいしてる事、
隣家は三日前に居なくなった事説明してた。
そしたら「迷惑掛けて申し訳ない、
借金のかたに何か取れる物があるか
明日もう一回見に来る、バイバイ」
って帰って行った

その後父に聞いた話。
うちの両親は俺が小学校の頃まで
繁華街で飲食店をしてた。
その時チンピラの893Aがシノギのノルマが
きつくて食うや食わずだったらしい、
それを見かねた母がメシ食わせてやってたとか。
豚箱入れられた時も差し入れ持ってたりしてて、
姉さん、兄さんと呼ばれてた。

でも飲食店辞めてから存在を忘れてたみたい。
隣家について893Aが言うには、
最低のチンピラで(意味わからんけど)
金絡みでファミリーを破門になったけど
借金在ったから取立てに来たとか
父はこの展開読んでたみたいで

チンピラ手下とひっそり住む→
借金返済滞る→夜逃げ→893凸

別段驚かなかったがまさかヤツが
とそこは驚いたらしい。
893が帰ってから父、母話してたけど
母「あー気分悪い、
あんなヤツ塀の中から出て来なけりゃいいのに」
父「あいつもまだこんな事してるとは、長生き出来ないな」
俺「えっあのひと病気か何かなの?」
父「お前は馬鹿か!!」

翌日893Aが若い衆連れて来て
家電とか運び出してたらしい、
「こんな物金に成らん」って
ぶつぶつ言ってたとか、
母がぼんやり見てたら893Aが
「姉さんもこんなヤツラ隣で迷惑やったやろ
服とか欲しい物有ったら持っていって良いよ、
どうせ戻って来ないから」と言われたらしい。
学校から帰ったらズボンが一本置いて在った。
母「隣からもらって来た。
ちようどと思うから履きなさい」
俺「それはちょっと勘弁して・・」
母「履くのか履かないのか!」
俺「ハカセテイタダキマス」
翌週から俺の通学ズボンに成りました。

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