友人「嫁さんを抱いてくれ」この秘密に耐えられんかもしれん

小学生の頃から付き合いのある親友とも呼べる奴がいるんだが、
そいつが結婚してから3年くらい子供ができなかった。
ソイツの嫁さんは本当に子供が大好きな人で、
近所の小さな子供とか見ると

「私も早く母親になりたい」

とよく言っていた。
ある日、嫁さんの母親が怪我をしたという事で、
ソイツの嫁さんだけ実家に帰ってる時に友人から

「相談に乗ってくれないか?」

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と電話。最初は2人でビール飲みながら
最近仕事がどーたらこーたらとくだらない話をしていた様な気がする。

だいぶ酔いが回ってきたかな?
という頃になってようやくソイツが相談を持ちかけてきた。

話の内容は、子供ができない原因は友人が20歳の頃におたふく風邪にかかって、
それが元で種が全部死んでしまったという事。
(今も夜の方はしていて、最後に白いモノは出るが種はいないらしい。
種が入っていない為かちょっと黄色いと言っていた)
だけど、それを嫁さんに言ったら別れを切り出されそうで怖くて言えないという事。

「でもこのままじゃ、子供好きの嫁さんの事だから不妊治療にでも踏み切るんじゃねーの?」

と俺が聞くと、

「実は最近、その話を嫁さんがよくするようになった」

と言った。

ここまで話せば想像は付くだろう。
なんとソイツは俺に嫁さんを抱いてくれと頼んできた。
ホントそういう話はそういう本の中だけの話だと思ってたから
本当に焦ったよ。
最初は

「冗談じゃない!」

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とか言って断ってたんだけど、2週間くらい毎日のように電話で

「頼む!」

と必死に言われついに折れてしまった。
友人から相談を持ちかけられてから1ヶ月くらい経った日だったと思う。
俺は友人の家に呼び出された。
寝室に行くとぐっすり眠った親友の嫁さんがいる。
なんかの薬(癌かなんかの治療に使う奴だったと思う)で眠らせたらしい。

「今日は妊娠しやすい日だから」

そう言った時のアイツの顔が今も忘れられない。
眼の下にはクマが出来てた。

コイツも相当悩んでたんだろうなとか考えた瞬間
凄い罪悪感みたいなものに襲われてやっぱやめようとした時にソイツが土下座して

「頼む」

って言ってきた。それで俺も決心してしまった。
あれから5年経つ。親友とは今もよく飲みに行ったりしてる。
酔うとたまにその話を持ち出すが、俺は絶対にその話には乗らないと決めてる。
昨日、彼女と2人で買い物に出かけてる時に親友の家族とバッタリ出くわした。
その時に俺の彼女が

「なんかこの子雰囲気がアンタ(俺)そっくりw」

とかアホな事抜かした。
俺は

「よく一緒に遊ぶから俺のオーラが写ったんだよw」

と笑って誤魔化したが内心ビクビクだった。
家で1人でビールをちびちび飲みながらその子と嫁さんの事を考えてたら、
なぜだか凄い涙が出てきて止まらなかった。
やっぱりあの夜の罪悪感みたいなもんは消えなかった。

本当に誰かに話して楽になりたかった。
だからここに書かなくていいような事まで詳細に書いてみたけど楽にはならん。
俺はこの秘密に耐えられんかもしれん。

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