迷惑電話で人生を取り戻した

この時期になると思い出す、
迷惑電話で人生を取り戻した話です

数年前、突然会社が潰れて無職になった
会社といっても社員数10人未満の小さい事務所で、
都内じゃよくある話なんだろうけど、6月の15日くらいに所長から
「今月いっぱいで会社なくなりまーす」と言われて
25日には次のテナント準備が
あるからってビルから追い出された

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ちょうど就職氷河期の頃に当たって
200社以上落ち、専門学校のコネで何とか入った
希望職種の事務所だったから(いま思えば
この時点で全然才能ないことに気づくべきだった)
なかなかダメージがでかかった
まだ若かったからストレス耐性も低くて、
田舎の実家に引き揚げてからは家で
ボーッとしてるだけだった

親もまだ現役で働いてたからできるだけ家事はやったし、
ちょうど祖母が入院してたので
お見舞い係もすすんでやったので感謝さえされた、
両親とも気が長い性格なので
「仕事はぼちぼち探せばいいよ~」
と言ってくれてたのでいい年して全力で甘えてた、
家事してない時はボケッと
テレビ観てるだけだった、クズだった

そんな状態で1ヶ月が経った頃に
自宅の固定電話が鳴ったので
出たら変態からだった
「今どんなパンツ履いてんのハアハア」
という古典的なやつ
なんか家族以外の人と話すの
久しぶりだなーと思って素直に
「ゆるゆるゴムでお腹まで
しっかりカバーできる茶色の婆パンツです」
と答えたら思いがけず会話のラリーが始まった

「…もっと可愛いやつにしろよ」
「えー、でも冷え症だし、可愛い下着は高いから買えません」
「貧乏なのかよ」
「貯金はあるけど無職なので」
「ふざっけんなっ、働けえっ」ガチャ切り

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変態とはいえ働けと
叱咤されたことでようやく危機感が湧いた

翌日にハローワークへ行き、短期バイトの面接を受けた
そこから半年、短期バイトを繰り返し[
色々な職を体験、例の潰れた事務所とは
まったく違う職種が面白かったのでバイト期間を
延長させてもらって契約社員→準社員になった
正規雇用までたどり着けなかったけど、
幸い縁があってその職種のプロの人と
結婚することができ、母親にもなれた

楽しいことばっかりじゃなかったし
今だって不安は色々あるけど、
家でボーッとしてるだけじゃ手に入らない
暮らしが出来ていることに感謝している

育児が一段落したので、
時短で仕事を再開したら息子が
「お父もお母も○○(職種)だから僕も○○になる」
と言い出したが、
人生って何がどう転ぶかわからないぞ、息子よ

願わくばあの時の変態の方も幸せになっていますように

思いっきり「働け」って怒鳴ってもらえて
ようやく自分を客観的に見れた感じでしたね
やっぱ叱ってくれる人もいないとダメだわ

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