12階建てマンションの10階に住んでた当時の話。
ある休日の朝、洗濯をしようと思いベランダに出たら、
人間の膝から下が目の前にぶら下がってた。
上からは
「助けてくださぁ~い」
とのか細い声が。
私はなんとか助けなくちゃ、と細い手摺りの上に乗り、
自分の部屋のベランダに引きずり込もうとしたんだけど、
勢いあまって二人とも窓ガラスに激突。
ガラスを突き破ってリビングに転がり込む羽目に。
お互い血まみれになりながらも
「生きてるねぇ~」
「生きててよかったぁ~」
と抱き合って泣いた。
なんてバカな体験なんだろう。
私が当時とった行動は非常に無謀なものです。
事実、そのあとに駆け付けていらしたレスキューの方に
「勇気がいることですが自分が死んでは意味がないんですよ!」
と、お叱りを受けました。
上階の男性ですが、
飛び降り自殺しようとしたみたいです。
直前に思い止まったまではよかったのですが、
バランスを崩して足を滑らせたそうで。
わずかなでっぱりに
必死に手をかけて堪えてらしたそうです。
その方は北陸の実家に帰られたそうなんですが、
今でも暮れになると、とてつもない量のカニが届きます。
その箱の中には『命の恩人様へ』と書かれた手紙が入っていて、
なんともまたやるせない気持ちになります。
皆さんは軽はずみな行動はおとりにならないように
お気を付けてください。