数年前、田舎者の私が上京したてだったころの話。
電車の中で若い金髪ニーチャンの足を踏んづけてしまった。
すぐに謝ったけど、向こうは激昂して許してくれなかった。
何か漫画によくあるような展開で
「それで謝ってるつもりか!誠意見せろや!!」
みたいな感じだったと思う。
他にも数人金髪仲間がいて、ニヤニヤしながら眺めてた。
気の弱い私はもう土下座寸前までいったと思う。
誰か助けてー((((゜д゜;))))
とgkbrしていると、向こうから般若の形相で歩いてくる女性がいる。
「助けてくれるのか!?」
と思ったら、彼女は金髪をドンと押しのけ私に向かって一言、
「この 泥 棒 猫 !!」
金髪達と私、ポカーン。
その後、金髪が口を挟む間もなく
「あんたこの前、私の彼氏とホテルから出てきてた女よね!!?」
「しらばっくれてんじゃないわよ!!」
と、罵詈雑言。すごい声大きい。
あのすいません、私今彼氏いません…
と口を挟む余裕もなく、マシンガンのような非難。
間違いなく金髪より怖い。正直涙目。
金髪達はもうニヤニヤ顔じゃなくて
「女こえぇ」
と言う目で見ていた。
多分他の乗客も怖くて注意できない状況だった。
そうしている間に駅が近づいてきた。
すると突然彼女の態度が一変。
「あああああああああごめんなさい、良く見たら全然違う人でした!!
見間違えました!!本当に申し訳ありません!!」
と平身低頭。土下座されるかと思った。
もう何が起こっているのかわからない。
ドアが開き、
「お詫びにお茶でも!!!」
と彼女に車外へ連れ出される私。
ホームに下りて電車のドアが閉まった瞬間、本当に土下座された。
慌てて起こすと、顔真っ赤にしてて震えてた。
話を聞いてみると、女性が絡まれてる、助けなきゃ!
→でもまともな注意なんて怖くて出来ない、
という経緯を経てあの行動に出たらしい。
勿論お互い赤の他人。
その後、本当にお詫びに喫茶店に行って
お互いの連絡先を交換し合った。
一人で都会に来て心細かった私にとって
最高に嬉しかった出来事。今も親友です。
自分は何もできなかったヘタレですが、
自分のことのように誇らしいです。
ちなみに上の文では金髪の人が
何も言えなかったようになっていますが、
実際は二度ほど口を出しかけ、その度に
「部外者が口出すなぁああ!!!」
と怒鳴りつけられ、顔を青くして後ずさっていました。
「ああ、私彼氏いないけど、本当にこの人の彼氏を寝取ってしまったのかもしれない」
というくらい恐ろしい形相&罵詈雑言でした。
本物の般若より怖かったような気がします。
本当はとても大人しくて可愛らしい人です。
近々彼女に子供が出来るので、
大きくなったら母親の武勇伝を語ってやろうと思っています。
ではありがとうございました。