もう何年も前にあったことです。
当時の年齢。
私:27歳、会社員
彼:29歳、会社員
友子、A子、上司
全員同じ会社。
事が起こる二ヶ月ほど前、彼が私の部屋に転がり込んできた。
付き合って一年半経っていたし、お互いの仲もあまり悪くない。
社会人で良い歳だし、そろそろ結婚の話も上がってくる頃合いだったため、
二つ返事で同棲開始。
口先の理由は、私といつも一緒にいたいとかそんな感じだった。
ある日、外出しようとしたとき、付き合って初めてのクリスマスに
彼からもらったペアリングがいつもの場所に
ないことに気づいた私、軽いパニックに陥る。
部屋でテレビを見ていた彼に聞くが、知らない、と素っ気ない。
部屋中探したが見付からず、どこかで忘れてきたのだろうかと凹んだ。
彼はにべもなく、なくしてごめんと謝る私を黙って見つめるだけだった。
失くした私が悪いんだと、自責していた。
職場の同僚である友子は、入社当時から仲が良かった。
彼との同棲や指輪がなくなったことなど、日常の会話として伝えていた。
ある日、隣の部署にいる顔見知りの同期A子が、
私のと似ている指輪をしていたと聞いた。
トイレでたまたま盛り上がっていたところ、見かけたらしい。
私の指輪には少し珍しい特徴があった。
勘違いなら良いけど、と思いながら、友子と一緒に恐る恐るA子に接触。
すると、悪びれることなく「彼にもらったの~」と笑顔で答えてくれた。
どういうことかと詳しく聞くと、デートしたときにくれた、
A子と彼は付き合っている、とのこと。
彼と付き合っているのは私で、
その指輪が私のにそっくりだという話をしたが、取り付く島もなし。
パニックになった私は、帰宅後、彼に相談。
すると、「新しいの欲しいなら買ってやるよ」と投げやりに言われた。
指輪がどうとかじゃなくて、A子とはどういう関係なのか聞いているんだと言っても、
知らぬ存ぜぬだった。
翌日、前日の発言とやっぱり指輪のことが気になって、再度A子に凸。
よく見せてほしい、私の指輪なら証拠があると食い下がると、
本当のことを話し出した。
というのも、この指輪は彼宅(=私宅)に遊びに行ったときにもらったものだという。
時期を聞くと、私が指輪を失くした頃と重なる。
彼浮気?と思ったが、A子曰く本命は自分だと。
怒りやら混乱やらで私疲弊、結局指輪は確認すらできず。
その日の帰宅後、再度彼を問い詰める。
A子の話した内容を聞かせていると、彼の顔が激しくゆがんだ。
「何、あいつげろったの?めんどくせーことしやがって」
浮気を認めた様子の彼。家にあげたり、私の指輪をA子にあげたことも喋った。
私がおこっていると、「お前うざい。出ていけ」と。待て、
ここは私の部屋だ。出て行くのはお前だ。結局逆ギレして彼は出て行った。
週末にかけてこの騒動があり、さすがに結婚まで考えていた仲だったため私はへこんだ。
浮気を悪びれずにやる彼に未練はあまりなかったが、
精神的にこたえたため、友子に無理を言って、
土日構ってもらった。家財の処分とかは後回しにした。
週明け出社すると、彼とA子が公然とイチャイチャしていた。
以前私と付き合っていたことを知っていた人からは
kwskされたりもしたが、基本スルーすることに。
二人とは業務上たまに絡むこともあったが、微妙に邪険にされつつこちらはスルー。
昨日の今日で悔しい気持ちもあったが、
二人の思考回路がこの時にはりかいできなくなっていたから、
できるだけ関わり合いにならないようにした。
その後しばらくは、そんな調子で過ぎていたが、
一ヶ月ほど過ぎたある日、業務中に二人から凸られる。
彼は顔真っ赤、A子はメソメソ泣いていた。罵倒していたのは主に彼。
よくよく聞くと、私が彼に性病をうつしたせいで、
A子にまで感染した、謝れ、治療代よこせ、というもの。
私には身に覚えがない。彼とは生でしたことはなかったし、
性病検査にもかかったことはなかった。
A子に至っては、悲劇のヒロインのようだった。
「彼くんこと好きだからって、こんなのひどすぎるよ・・赤ちゃん産めなくなったらどうしよう」
と大泣き。ここだけ聞いたら、何も知らない人には私が横槍だと思われかねないセリフ。
そして、この話が一人歩きし、社内の一部の方から私ははぶられた。
ある程度事情を知っている人からも、腫れ物扱いされた。
勤務中のオフィスでやられたのは最悪だった。
この場でも友子始め一部の友人が私の味方についてくれたおかげで、
何とか乗り切れた。あの時のメンバーには頭が上がらない。
噂が一巡し、少しおさまりかけたとき、
全く別の方向から吉報(と言って良いのかわからないが)が耳に入った。
A子の既婚者上司が、彼、A子と全く同じ性病を発症し、
そこからA子と上司の不倫が発覚した。私に関する噂は姿を潜め、
逆に彼、A子、上司の泥沼三角関係の話で持ちきりになる。
当然彼は黙っていなかったようで、あちらはあちらで修羅場になったようだった。
最終的にA子は上司を選んだらしい。
そこで終われば良かったものの、彼がUターンしてきた。
A子から指輪を取り返して私に再アプローチをかけてきた。
友子たちにブロックされて社内では寄り付けないと悟るや否や、
私の部屋に急襲。あっさり引いたと勘違いしていた私の油断につけいり、
帰り際をまんまと捉えられ、レイプ未遂。顔や体を殴られ、
服を脱がされかけたところで友子の呼んだ警察が来た。
友子は、私の部屋で飲もうと約束していたため、
自分の家に帰ってすぐにきたところ、犯行に及んでいる彼とぐったりしている私を発見したらしい。
その場で助けられなくてごめんと謝られたが、
私の方こそ感謝してもしきれないと泣いてしまった。
彼は現行犯?逮捕でも、未遂ということで執行猶予がついたらしい。
私の両親にも連絡が行き、弁護士を呼んで色々なやり取りがあったらしい。
私は怪我やショックで様子見のため2、3日入院していたため、後日知らされた。
退院して再出社したものの、社内にいづらい空気が充満していた。
さすがに噂は広まっていた。他の当事者たちといえば、
彼はもちろん、上司とA子の姿もなかった。不倫がばれたせいで
クビになったらしかった。どうでも良かった。
私もやめてしまおうかと思ったが、友子がとても気遣ってくれるため、
辞めなかった。辞めることはいつでもできるから、と勇気づけてくれた。
退院後はしばらく一人になるのが怖かったため、
実家から通っていたが復帰後間もなく警察から連絡があった。
引き払ってなかった私の部屋に不法侵入した輩がいるとのこと。
彼は勾留中だったため、単なる泥棒かと思っていた。
泣きっ面に蜂、とことん不幸だと更に鬱になっていたら、
犯人は上司とA子だった。顔も見たくなかったので全て弁護士に任せた。
動機は、ずいぶん後になって聞いた。何がどうなってそうなるのか、
私には全く理解できなかったが、以下A子の言い分。
性病になるし、会社クビになるし、頼れる上司もお金なくなっちゃったし、
彼は私に帰っちゃった。全部私のせい。私だけ性病になってないから悪いんだ、
私にも性病うつしてもらおう、そしたらA子は苦しみから開放される。
上司にうまいこと言って焚き付けて、以前彼に呼ばれたときに作ってた合鍵で侵入、
レイプしちゃえ!上司には3Pできるよ、って言ったらついて来た。
私だけクビになってないんだから、それくらい良いよね。
精神的に持ち直してないときに聞いてたら、
卒倒してたんじゃないだろうかと思った。何が憎くてそこまでされなきゃいけないんだと
ふさぎこんでいたら、またもや友子が助けてくれた。
お祓いだー気分転換だーと連れ回してくれて、何とか持ちこたえた。
上司とA子も逮捕されてた。でも詳しくは知らない。
A子は何とか教唆?の罪で上司より罪が重かったと聞いた。
以上で、私の20代の頃に経験した修羅場は終わりです。
その後厄年も通過しましたが、拍子抜け…この時期に厄落としできてたんじゃないか、と思うくらいでした。
友子から結婚の知らせが届いたので、投下しました。
私もその後しばらくは男性不信でしたが、良い人と巡り会え、そろそろ結婚を考えております。
A子は入社時から少し変わっている印象はありましたが、
まさかここまでおかしい上に巻き込まれるとは思ってもみませんでした。
友子には、本当にいくら感謝しても足りないですね。
気の早いことに、結婚式では友人代表挨拶頼まれてるので、頑張って考えなきゃです。