港の近くで知らない男三人に囲まれたて麻袋をかぶせられて

二十年前くらいの修羅場
俺が当時小学四年生だったころ。
その時は日本海側の港町みたいなところに住んでいた

父親は大工をしていて
朝早く出てって夕方くらいに帰ってくるのが日常

8月半ばで、その日はたまたま
俺と小学一年と年中の弟2人の3人で歩いていた。
夕方から夜に変わるくらいの時間で、
少し遊びすぎて門限を過ぎてしまっていた俺達は
急いで帰ってた

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そしたら、港の近くで知らない男三人に囲まれた

日本語を喋ってなくて、
暫く俺達を囲んだまま何か話していた
怖かったけど、俺は兄貴だし弟たちは怯えてるしで
弟達を庇うように様子を見ていた。

そしたら話し合いが終わった男達が俺達に襲いかかってきた。

麻袋みたいなのを年中の弟に被せてきて、
俺が「やめろ!」って言って
麻袋を持ってる男を蹴ったら
もう1人に取り押さえられて肩に無理やり担がれて、
男たちは走り出した
小1の弟ももう1人の男に担がれてた

そこからはパニック。
麻袋の中の弟は中で暴れて、くぐもった叫び声が聞こえるし
俺も小一の弟も「助けてー!」とか
「誰かー!」とか叫んだんだけど
港の近くって夕方に人はいないもんだから、
誰も助けてくんない

このまま殺されるんだ……って
絶望みたいな諦めが俺の中で生まれた頃に
「何しとるんだてめえええらああああ」
って怒鳴り声が聞こえて、見たら父親だった。

大工の仲間を5人くらいつれて、
みんな手に色々持ってこっちに突撃
男たちは必死に走ってたけど、
あえなく追いつかれ大工の人たちに捕まってた

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安心と恐怖とで俺と弟達は超大泣き。
父親の大工仲間が「もう大丈夫だかんな」
っていって抱きしめてくれた

父親は
「人の子供に何してくれてんだ!あぁ!?」
って怒鳴りながら男達を蹴ってた
父親と大工達がたまたま近くで工事してて、
その中の1人が泣き声が聞こえるって言ったので
様子を見にきてくれたらしい

男達がそのあとどうなったかは分からない。
暫くその地域は
夜間の外出は控えるようにって忠告と
子供だけで下校とかはさせないように、
って教師達と一緒に集団下校した

当時はただの誘拐だと思ってたけど
あれは拉致される寸前だったのかなと今になって思う

攫われかけたの港とは言え町中だったし、
詰めが甘かったのかなあいつら

その後大工仲間の人に送って貰って、事情を聞いた

母親に泣きながら抱きしめられて四人でワンワン泣いてた。
その後も弟2人はおねしょを再発

俺は専用の部屋を与えられてたんだけど、
窓から攫われるんじゃないかと怖くて
家族5人で一年くらい一緒に寝てた。
壁には父親が護身用に木刀立てかけてた。

風呂も子供だけじゃ怖くて
必ず母親か父親と一緒に入ってた
恥ずかしい話だが俺は中学生までそうだったw

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