高校の頃、ずっと入院している仲良しのAちゃんが教室で小さく手を振っていた

衝撃的体験と言っていいのかどうか分からないけど。
高校生の時、その日は朝からあまり体調が良くなかったけど、
熱はなかったので普通に登校した。

1時限目の数学の授業で先生に当てられたので前に出て、
黒板に書かれた問題を解いて自分の席に戻ろうと振り向いたら
前から二番目の席の、ずっと入院していた仲良しのAちゃんが
小さく手を振ってた。

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朝からボーっとしてたから気付かなかったけど、
退院したんだーって嬉しくなって、
私も小さく手を振り返した。
席に着いたら隣の席のBちゃんが
「どしたの?今なんで手振ったの?」って聞いてきて
「だってほら・・・」とAちゃんの席の方を指したら
空席のままだった。

あれ?さっきAちゃん座ってたのに~と思ったら
急に背筋がゾゾゾゾって寒くなって鳥肌が腕にびっしり
冷や汗が急にダバ~と流れてきて、
Bちゃんが「大丈夫?」って声掛けてくれたところから、
朦朧としてよく覚えてない。

気付いたら保健室で熱出して寝てて、
午後の授業も終わってた。
少し楽になって、母が迎えに来てくれると言うので
教室に荷物を取りにいったら全員残ってて、
女子はみんな泣いてた。

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Aちゃんが亡くなったって連絡が入ったそうだ。
先生はどうか知らないけど、私たちはAちゃんが
そんな深刻な病気(癌)だったって知らなかったから
すぐ戻ってきて一緒に修学旅行に行けると思ってた。

で、その修学旅行で夜にみんなと話してるときに、
信じて貰えないかも知れないけど話してみた。
あの日、Bちゃんに聞かれたあの時、
Aちゃんの席にAちゃんが座って手を振ってたこと。

そしたら、場所は違うけど同じあの日に
Aちゃんの姿を見たって人が他にも4人もいて、
みんな怖いとかそういうのではなくて、
直後に訃報があったものだから信じて貰えないと思って(私と一緒)
誰にも言わなかったんだって。

今でも怖いって感覚はなくて、
Aちゃんは最後まで学校に来たかったんだろうなって思うと切なくなる

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