母親に電話かけたんだけども、混線、なのかなあ…

去年の話なんだけども、混線、なのかなあ…

その日は、夜に家族で外食しようってことになってた
でも自分はバイトがちょいとばかり長引いたから、
一人だけ現地集合だったのね
一応場所は調べてあったんだけど、
途中道が解らなくなって母親に電話かけることにした
数コールの後、向こうに繋がった気配

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でも、やけに静かなんだよ。向こうが。
電話ってどうしても周りの音が入るじゃない。
雑踏とか話声とか。そういうの全然なし

焼き肉屋に居る筈だから
もっとガヤガヤしててもいいのになーなんて思った
それでもとりあえず店の場所聞こうと思ったときに、
違和感を感じた

普通、知り合いの、っつーか携帯に登録してある
親しい奴から電話きたらだよ
繋がった瞬間何か一言言わない?
「どうしたの」とか「はーい」とか
完全に沈黙なんだよね。静けさに躊躇った時間もあるから、
その間に一言くらい入ってもいいのに
で、ここでやっとおかしいなと思った

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こっちは登録した番号にかけてるんだよ。
今まで何回もかけてきた番号に。
母親の悪戯かなとも思ったんだけど、
こんな訳解らんからかい方する人じゃないし
困ったやら好奇心が湧いてくるやら、
いっそ相手が何か言うまで待ってやろうって気分になった

実際沈黙が続いたのはほんの2、3分だと思う
フェードインするように雑音が聞こえてきた
耳を澄ませてみると息遣いなんだよね。
「ハア、ハア」って感じの
うわやばい変態さんか?なんて身がまえた。
しかも段々音が大きくなってくる
流石に怖気づいて切ろうとした瞬間、

「…にじゅうさん、にじゅうよん、にじゅうご」

それだけ言って電話が切られた。
押し殺したような女性の声だった。

直後、履歴から同じ番号にかけ直してみると、
あっさり母親につながった
未だに何だったのか分からないし、な
んのカウントなのかも分からない
ただ当時22歳だった自分としては、
残りの寿命を宣言された気がしてgkbrしてる

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