深夜 母親から「妹が車にはねられて救急車で運ばれた」

妹の修羅場

ある日の夜、確か1時過ぎたくらいの深夜
母親からの着信に出てみたら

「妹が車にはねられて救急車で運ばれた」

との一報が。

まさか瀕タヒ!?と最悪の事態を想像しつつ
心臓バクバクさせながら
タクシーを呼びつけて処置室へ向かってみると…
そこにはベッドの上で元気に泣き叫ぶ妹の姿が。
そしてぎゃーぎゃー騒ぐ妹を取り囲んでテキパキ動く医師・看護師と
呆れ混じりの複雑な顔で見守っている母が居た。

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とりあえず母に何があったのか話を聞く。

母「自分で車道に飛び出して車に撥ねられたのよ」

私「はぁ!?なんで!?」

母「お父さんと一緒にお酒飲んでる内に喧嘩し始めて…
  タヒんでやる!!って叫んで店を飛び出したの」
  _, ,_
私「( ゚д゚)……」

昔から行動力のある妹だったがまさかここまでとは。
とりあえず撥ねてしまったドライバーが気の毒になった。

妹は幸いにも命に別状はなく、
背骨の故障のみで脊椎は無事。
骨がくっつくまで1~2ヶ月寝たきりになる程度の怪我で済んだ。
安心したものの、心配の反動でどっと疲れた。
当の本人はまだワーワー言ってたが。
母が入院手続きに向かうのと入れ替わりに
処置が終って多少落ち着いた妹と対面を果たす。

私「アンタ何撥ねられてんの?w」

妹「お゛っ お゛、お゛ねぇち゛ゃん゛~~~~」

私「心配したのに超暴れてるしびっくりしたわ」

妹「う゛っ えっ……だって゛ぇ~~~」

間近で見た妹顔真っ赤、ろれつ回ってない、目が酔っ払いのそれ。

私「…アンタまだ酔っ払ってんの?」

妹「っ…うっ……もう冷めて゛るもん゛~~~」

私「嘘付け。とりあえずアンタ入院確定したから」

妹「え゛~~~!?ヤダーーーーーーーー!!!」

私「ハァ?何で?いいじゃん1ヶ月ゆっくりすれば」

妹「ヤダ!!!病院はオバケがでるもん!!!!」

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これには私の周りに居た医師・看護師も爆笑…とはならず。
着々と病室へ移送する手筈を整えていた。さすがプロ。

私「大丈夫大丈夫、きっと爺さんが守ってくれるよ」

妹「おじいちゃんもうタヒんでるじゃん!!!」

私「だからさw守護霊的な意味でww」

妹「ヤ゛ダーーーーーーーー!!!こ゛わ゛い゛ーーー!!」

お静かにお願いしますね、
と優しい声に制されつつ
身動き取れない妹は病室に無事到着。
母とバトンタッチする。
泣きつかれたらしい妹と別れを告げ、
家に帰ったら4時近くなっていた。
メールで友達に報告して就寝。

翌日改めて病室を訪れると、
すっかり入院患者らしくなった妹が居た。
昨晩運ばれた時の事覚えてる?と聞くとやはり記憶がないらしく、
上記の会話を含めた流れをざっくり説明したら
大爆笑で、笑いながら痛がってた。
でもやっぱりオバケは怖いらしい。そこは譲れないんだとか。

妹曰く入院生活は恥辱に塗れたものだったそうな。
「この歳でオムツされるなんて思ってもいなかった!」
「伸びまくったワキ毛を若い男の医者に見られた!」
「眉毛が跡形も無くボーボーだよ!」等など。

車道に飛び出したのはやっぱり親父との喧嘩が原因で、
妹は実家の飲食店を手伝っているのだが、
その時閉店時間前から親父と飲んでて
何かの話の流れで「タヒね」「タヒんでやる!」という台詞の応酬になり
店の真隣が大きな道路だったから飛び出したら即座に撥ねられたとか。
親父からは謝罪の言葉どころかまともな会話すら無かったそうな。

撥ねたドライバーはやっぱり気の毒で、私は妹が自爆したので
むしろこっちが車の修理代金払うべきだろと思ってたのだが
逆に治療費等を支払う側になってしまったらしい。
その辺は私は関与してないのでよく分からないが
妹は結構な大金を受け取ったようで
「骨折った甲斐あった」と言っていた。

妹は元々独り暮らしだったのを止めて実家に戻り、
家業を手伝ってたのだが
結局この出来事が起因になって手伝わなくなり、県外へ引越していった。
今は私も妹も実家とは疎遠になっている。

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