分かる様になったのは多分小学校二年生の時から。
ある日私が目が覚めたら下の弟(まだ生後五ヶ月かそこら)が
死んでた。
死因は不明。
っていうか未だに親に言い出し辛くて訊けない。
その時の空気っていうか雰囲気が、ちょっと文章には現し辛いんだが
白い空気、みたいな感じで、そんなんが部屋中に充満してた。
で、父親も母親も大事に(しようと)してた弟が
突然他界したもんだから、一日中泣き崩れてしまって。
私と上の弟は幼すぎて状況が上手く飲み込めずに
右往左往していた。
それから葬儀を二日後に執り行う事になって、
その日は下の弟の遺体と共に家族全員で
寝る事になった。
その時私も遺体を抱かせて貰ったんだが、
すごく冷たくて、軽くて、爪や唇も紫色で、
肌なんか紙の様に白くて
白い空気がその周りに充満してた。
で、それから身の回りに死ぬ人が居なかったお陰で
判別する能力が身についてるのを知らずに
小学校六年生まで過ごしてたんですが
飼育委員になった時に兎の世話やってて、
兎二匹に白い空気が充満してるな、
ってのが分かったんですよ。
何の気は無しに同じ飼育委員の生徒に
「この子達もう少しで死んじゃうんじゃ無いかな…」
って洩らしてしまったんですよね。
相手もその時は冗談半分で聞いてくれてたと思うんですが、
本当に私の指定した二匹の兎が死んでしまって、
それが引き金になって凄いいじめに遭いました。
クラスの半分以上は敵でしたね。
その時誰に話しても信用して貰えないのを痛感しました。
それから中学、高校一、二年生は幸いにも
死ぬ様な人に巡り会わず平凡な日々を過ごしていたのですが
高校三年生の時、英語教師に薄く白い空気が纏わり憑いているのと
遭遇したんですね。
それが英語教師に憑いてるんじゃなくて
英語教師に近しい人が死にそうなんだ、
という事が上手く言えないけど、勘で分かって。
言わなければ良いんだけどお世話になってた先生で、
仲が良かったのもあってつい、また言ってしまって。
あの時の先生の顔は忘れられない。
その年の七月に私は学校を転校して
通信校に行ったので、先生の親御さんが助かったの
か死んだのかは分かりません。
どうも死ぬ人が分かるってより死相が読めるってのが
的確だな…。
自分を客観的に見て分かった事。
★死ぬ生き物、もしくはその近しい血縁が死ぬのが分かる
★空気は漠然と漂っていて、死に近くなればなる程濃くなる
★テレビを見てても見えない
★霊感は無い
では部活なのでこの辺で。
また月曜に来ます。