ヤンキー中学生3人がいた。1人が廃自転車の山に蹴り飛ばされたので様子を見に行くと腕にスポークが刺さっていたので

マンションのベランダからふと駐輪場の方を見下ろすと
ヤンキー中学生3人がいた。
2対1で喧嘩なのかイジメなのか、
よく分からんがもめていた。
1人が廃自転車の山に蹴り飛ばされ、
あまりに一方的になってきていたのでベランダから
「こらこらー!」と叫んだ。

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2人は逃げるように立ち去り、
俺はなんとなく気になって駐輪場まで降りていった。
まだ廃自転車の上に倒れたままの中学生(A)に
声をかけると、「痛い、痛い」と言っている。
よく見るとタイヤのスポーク?(針金みたいな)が
腕に2本刺さっていて、1本は何とか外れたが
もう一本は学生服の上から見事に腕を貫通していた。
俺がぬいて良いものか分からなかったから、
とりあえず腕に刺さったままのスポークをタイヤ部分から
ペンチで切り離した。

俺が「病院でぬいてもらった方がいいと思うけど親に連絡取れる?」
と聞くと、「今、親いないです」とAは答えた。
俺は予定も無かったし緊急の病院も近くだったから
俺が車で乗せていくことにした。
病院に向かう途中、Aに俺の携帯電話から親の職場に電話をさせた。

病院で事情を話し、受付を終えたところでAの母親が到着した。
Aは母親に「転んだだけ」と説明した。
あの年頃、喧嘩かイジメは母親に知られたくない事なんだろうと察した。
Aがそう言う以上、俺からアレコレ言う必要もないかと思い、俺は帰ろうとした。

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その時、母親に引きとめられ、母親は「A、
この人(俺)にやられたの?正直に言って。この人がやったの?」発狂しだした。
Aは「違う。ここまで連れて来てくれただけ。俺は転んだだけ。」
そして母親は「あなたがいたらAも本当の事を言えないと思うから、
帰ってゆっくり話を聞きます。電話番号はさっきのやつがあなたの番号ね?」
そう言われてむなクソ悪かったけど俺は帰った。Aは軽く俺に会釈した。

数時間後、母親から電話があった。
「Aは、転んだだけとしか言わない。
あんな所で一人で転ぶ訳がないでしょう?」と言い、
とりあえずその駐輪場まで来てほしいと言われた。
すぐに向かうと母親と警察がいた。
俺が言っていいものか、と悩んでいたら、
Aがすぐに駆けつけてきて、起きた事を全て話した。

母親は俺に何も言わずに帰って行った。
母親ってそういうもんかね。

俺が中学生の頃を考えたらAの嘘を付きたい気持ちは分かるけど、
やっぱり病院で母親が来たときに全て話すべきだったんだろうな。
お礼を言えとは言わんけど、「傷害事件だ!」
「人ゴロし!」とか病院の中で叫んだ事に対しては謝って欲しかったが。

Aが本当の事を言ってくれたから助かったようなもんだけど、
俺が言っても信じてくれなかっただろうしな。

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