スーパーで期限切れが近いから
値引きシールが貼ってあるパンが
いつもより大量にあったのを見て、元夫を思い出した。

元夫はスーパーに買い物に行くのが好きで、
よく買ってきたのが前述の期限切れが近いパン。
店員さんがシールを張るのを
かたっぱしから大量に買ってくるから食べきれず、
一週間かけてさらに古く固くなったパンを食べていた。

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別に家計が逼迫してわけじゃない。
夫はあの値引きシールが貼ってある商品を
買うのが好きというより、
ちょっと古いだけで同じものを
値引きしていない状態で買うのが、
ありえないことだと思い込んでいた。

元夫は退職する前は休みの日だけだったが、
退職したら毎日、そんなものばかりを買ってきていた。
二人暮らしだからそんなに一度に消費できない。
だから、肉も刺身もパンも期限切ればかりだった。

その日にうちに食べてしまうものなら良いが、
数日かかって消費するものは、本当においしくなかった。
それならばと冷凍してみたが、
古いものを冷凍して、調理前に解凍すると、
ドリップが大量に出てしまうことも多かった。

買い物だけでなく全てがこんな感じだった。
夫婦共働きで経済的にも余裕があっても
子供の進学先も習い事もクラブ活動も
ただひたすら安い事が一番だった。

子供は成人して就職して家を出て行った。
「自分の給料で好きなものを買えるのは
本当にうれしい事だ」と言っていたから、
子供なりに思うことがあったのだと思う。

元夫は旅行も行きたがったが、
旅館も格安中の格安ばかりを選んだ。
夜具や水回りが不潔な施設も少なくなかった。

「旅行には行きたくない」
「食べるものは減らしてもいいから期限切ればかりは嫌だ」
と言っても、
「お前は贅沢だ、わがままだ」と元夫に言われ続けて、
嫌になって離婚した。

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「そんな理由はありえない、他にわけがあるのだろう?」
と元夫は抵抗したけれど、
「私がおかしいかどうか他人の意見を聞くために、
これらの話を他人に話す」と言うと同意してくれた。

今は一人で暮らしている。
贅沢はしていない・できない。旅行も永らく行っていない。

時々必要な分だけ、菓子パンや食パンを買うことがある。
ある銘柄のパンで
期限切れまで余裕があるのを買って食べた時、
この銘柄のパンはこんなに美味しかったのかと
びっくりした事があった。

今は少しだけど、
柔らかくて美味しいパンを食べられるだけで私は幸せだ。

半額値引き後一個60円で2個買うより
新しいもの一個だけ120円で買う方が
はるかに幸せになるものだとしみじみ感じました。

一番済まないと思うのは子供の事です。

子供は私の扶養家族に入れるから、
子供の事は私が費用を出すと言っても
元夫は納得しませんでした。
子供も元夫の扶養家族にしたがりました。
税金の扶養控除がつかなくなるからが理由でした。

私の母からのプレゼントだと嘘を言って、
私のお金で子供の学生服を新調したりしていました。
制服採寸の日、
「同級生と袖丈をどれくらい長くすれば良いかなと
話して面白かった」と子供から聞いた時に
離婚を意識してからほぼ10年後、
子供が就職したのを機に離婚しました。

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