「おーい!みんな川から上がって!貴重品だけ持って上の小屋に上がるぞ」空がさーっと暗くなり

小学生の頃、某県内の山沿いにある
渓流BBQ場に連れてってもらった。
メンバーは親の友達の独身・家族連れと
俺ら子供も合わせて15人くらい。
その日は天気も良く、俺たちも親たちも
川に入ったり楽しんでた。

午後になっても遊んでいたんだが、
一緒に川で遊んでた独身男性参加者(Aさんとする)が

「おーい!みんな川から上がって!」

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と大きな声をかけてきた。
なんか美味しい物でも出るのかと
(AさんはBBQ料理とか豪快スイーツ作りが好き)
BBQ会場のタープまで戻ったらAさんは真剣な顔で

「みんな貴重品だけ持って、
上の小屋(BBQ場の受付みたいな)に上がるぞ」

親も含めて全員???だったけど、
いつも面白いAさんがあまりにも真剣なので
携帯とか財布とかだけ持って退避。

河原より少し高台の小屋の中に
全員入ったくらいのタイミングで
空がさーっと暗くなり、突然の豪雨。
プレハブのガラス窓には大粒の雨が突風と共に叩きつけられ、
窓越しに河原を見るとタープは倒れ、
川の水は濁って勢いを増している。

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Aさんの声が無かったら少なくとも
豪雨の中を慌てて小屋まで登る羽目に
なってただろうし、何より川から安全に上がれてたかどうか。

「なんでわかったの?」

全員が思ってた疑問をAさんに口にしたら

「川の向こうに見えた山の色が急に変わって、
水の温度が変わった気がしたから」

とAさん。
後で確認したら、たしかに川沿いの
木々の向こう側に隣?くらいの山並みが見えてた。

「この強い日差しで色が変わるなら
相当厚い積乱雲が発生したんじゃないかな、
と思って。何も起きなかったらそれで構わんし」

事も無げに、いつものように
明るく言い切ったAさんにその場にいた全員が

「スゲーーー!」

と絶賛した。
観察力や判断もそうだけど、
安全のために「間違ってたら恥ずかしい」
なんて思わずにすぐさま号令をかけられる
Aさんを子供心に尊敬した。

後でオヤジに聞いたら、Aさんはこういう
非常事態にすごく頼りになるんだそうだ。
だから酔っ払いの親たちも疑わずに行動したと。

「でも、なぜかそういう場面では不思議と
独身女性が居合わせなくてな」

そんなAさんは今日もオヤジギャグをかっ飛ばしながら
独身を謳歌しているそうです。

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