友人が自サツした。
大学卒業後、友人は結構ブラックな飲食店で働いていて、
でも好きな職だったらしく、楽しそうだった。
友人は一人っ子だったのだが、
母親が過干渉で少し変な人だったのを何となく覚えてる。
私の家に友人が泊まりに来た時、
この子は変な子で何もできない子だから、
よろしくお願いしますってよくわからない電話をしてきたから。
友人の職場にその母親が電話をかけていたらしい。
毎日帰るのが遅いとかお盆休みや土日休みがないのはおかしいとか。
母親は事務職とかそういう職についてほしかったみたい。
友人は職場への電話攻撃に耐えかねて、好きだった職をやめた。
その後、友人は母親の言うがまま、
市がやってる事務職への再就職プログラム(?)みたいなのに入って、
使用期間が終わって、正式採用が決まった。
その日、朝四時から母親は娘をたたき起こして、
取るべき資格を何時間もかけて話して、勉強させたらしい。
会社帰りの夕方、勉強道具を持ったまま、彼女は電車に飛び込んだ。
即タヒだった。わたしが知ったのはすべてが終わった後だった。
なのに私がこの話をなぜ知ってるかが、私の修羅場。
彼女の母親が電話してきて、
上記の内容を全部私に話してくれたのだ。
「でも事務職の方が良いし、お休みもとれるし、
私イギリスにも娘と一緒に行きたかったのに
これからどうすればいいのかしら。
夫の家族にも自サツ者がいるのよ。
やっぱり血筋なのかしらって思っちゃう」
だから私悪くないわよね?
っていう言葉が透けて見えた気がした
友人は父親に対しては遺書の中で
言葉を残したらしいが、母親には何もなかったらしい。
それも不満だったようだが、
だからこそわたしも彼女に対して貴方のせいだとは言わなかった。
でも貴方のせいじゃないとも絶対言わなかった
いまでも自分にかけらも悪いところはないとでも言うように
あっけらかんと語った友人の母親を思い出すと
底冷えするように体が冷たくなる