先週、父が亡くなった。
享年61歳、早すぎる死だと思う。
急性の心不全で、なんら前置きもなく、
旧家の雪囲いをしている最中に一人倒れてそのまま。
午後から仕事だったのだけれど、
携帯に電話しても出ない、
会社にも行ってないということで、
探しに出た所で亡くなっている父が発見された。
まだ親孝行もろくにできていない。
私も社会人3年目で、
ボーナスで2回くらいしか旅行に連れて行けてないし、
父の定年に向けて必死に両親にプレゼントする気だった
海外クルーズ旅行の費用、全部ムダになった。
8畳一間の1Kで貧乏暮しをしながら、
積立と毎月の貯金で、
再来年の定年には間に合いそうだったのに。
今は一人の食い扶持のために働くという意味が
見い出せない。
なんのために仕事をしいるのか。
今日は出勤前の兄が私のアパートに来て、
いつまで会社を休むのか、
いつまで腐っていれば気が済むのかと言って私を叩いた。
どうして良いか分からない。
兄のように家庭を持っているわけではない私は、
親孝行するために仕事をしていて、目的を失った。
子供のように泣いて駄々をこねれば
父が戻ってくるならそうしたい。
父の死が受け入れられなくてつらい。
夜な夜な「お父さん」とひたすら叫びたくなるので、
枕に顔を押し当てて泣き叫ぶ。
兄に
「そんなに親孝行にこだわるなら、
さっさと男見つけて
孫の一人や二人見せてやればよかったんだ」
と言われた。
悔しい。
でも、確かに兄の言うとおりだったのかもと思うと、
さらに悲しい。
定年記念の海外クルーズのプレゼントを提案したとき
「俺は嫁があんまり良い顔しないから」
と言ってきたから一人でプレゼント資金を貯めてきた。
あの時諦めて、遊びに出たり
自分のためにお金を使っていれば良かったのかな。
彼氏を作って、結婚していれば良かったのかな。
お父さんに会いたい。
亡くなってから一度も夢に出てこない。
私は薄情な娘だったのか。
会社に行かなければならないのに、行けない。
お父さんに怒って欲しい、褒めて欲しい。
もう叶わないって分かっているのに、
そんなことばかり思う。