ペア旅行券が当選して母を誘った。楽しみにしてくれていると思ったら

私が二十歳くらいの時、
携帯会社の店舗でやってる懸賞に当選した
携帯所有者と連れのペア旅行券で、
各地の結構高額な旅館から選べるというもの
日ごろのお礼も兼ね、仲の良い母を誘うと
「行きたい!」と喜ばれ、親娘二人旅が決定した
人数の追加は実費負担(五万ほど)であり、
父は不定休で出歩いても喜ばない性格なので除外
母へのプレゼントなので場所や日程の決定権を渡し、
数ヵ月後に決まったその日をわくわくして待っていた

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そんなある日、お盆で母の実家に行った
母が世間話で上記の懸賞旅行の話をすると、
祖母が私を見て眉を顰めた
「なんで(私)と(母)なの?なぜ両親で行かせてあげないの?」
なんでお前が行くんだと侮蔑するように言われ、母は「だよねー」と笑ってた

祖母の言い方は酷く癇に障ったが、
私が一番腹が立ったのは、笑って同意した母にだった
喜んでたのは嘘で、楽しみにしてたのは
自分だけだったんだと思うと悲しくて虚しかった

その日の就寝前に
「私は旅行に行かない。夫婦二人で好きに行けばいい」
と母に言った
出来るだけ落ち着いて言ったつもりだったが、
途中で涙が出てきて最後はしゃくり上げていた
財布に入っていた5万を置いて自分の部屋に引っ込むと、母が追いかけてきた
「どうしてそんな事言うの。(父)と二人で行っても、つまらないって分かるでしょ」
私は無性にイライラして、言うつもりはなかった言葉を吐き捨てた

「じゃあどんなつもりで笑ったの?私とは行きたくないんでしょう?
気が利かない思いやりがないって、なぜ私が詰られなければいけないの?」

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そんなつもりはなかったと母は慌てていたが、
今はまともに話を聞けないから出て行ってくれと頼むが
母が動かずに泣きだしたので、私が部屋を出て居間へ移動した
しゃくり上げが止まらずにいると母が追って来たので、
もう来るなと言って部屋へ戻った
その日はティッシュ2箱を使い切ってタオルに染みを作りながら寝た
涙と鼻水はセットであり、しゃくり上げて泣くのは苦しいと
思い出せた修羅場

翌日会社から帰宅すると部屋に封筒があって、
中には手紙と六つ子になった諭吉がいた
手紙には、軽いノリで、笑い話のつもりで、
私が傷つくなんて思いもしなかった事などが書いてあった
父は用事がなければ出歩かない、
ウインドショッピングを楽しめない、家族サービスよりゴルフな人
不機嫌を態度に出して周りまで気分を悪くする人を、
お金を払ってまで同行させる必要はないと
父に留守番を言い渡して旅行から除外したのは母なんだ
ペア券だけど連れて行けるんだよと言う私に、
二人だけの方が楽しいと言ったのは母なんだよ
だからこそ祖母から謂れのない批判を受けた時に、
否定せず私を落として笑い合ってたのが許せなかった

そんな事を話し合って、改めて謝罪を受けて、
改めて母娘二人で行きたいと申し込まれたので
今回の事はなかった事として水に流し、当
初の予定通り二人で楽しく行ってきた

ちなみに父は留守番に不満はなく、
昼は打ちっぱなしに行き、夜は犬と二人仲良く眠ったそうです
移動や旅館以外での飲食代は増殖諭吉で払うつもりだったけど、
母が全て出してくれたり
晩御飯がしばらく手の込んだものだったりしたのは、
母なりの謝罪を形だったんだと思う
後日旅行のお土産を持って祖母宅へ行き、
軽く復讐出来たので清々しい気持ちで自宅へ帰れた

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