小学生の頃、公園で遊んでいたら茂みからヨロヨロと小猫が出てきた。助けようと思ったが残念な結果に・・・10年後にその場所で

助けたって言っても
当時の俺がよかれと思ってしたことだけど、
不思議な体験した

小学生の頃、学校終わって
同級生と公園でワイワイ騒いでたんだよ。
家から自転車で5分くらいのところにある公園で、
8月のことだったと思う。

で、一通り遊んだから帰ろうってことになって、
友達と自転車にまたがったら茂みから
ヨロヨロと小さい猫が出てきたんだ。

白黒の猫で一歳にもなってなかったと思う。

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友達数人は猫だーって駆け寄ったんだけど、
俺は野良猫とか追っかけ回すのが可哀想だと思って
やめろよーとか言ってたと思う。
でも友達が猫を取り囲んでも、
その猫逃げたりしないわけよ。

人懐っこいのかなーと、
俺も覗いてみたら何か様子が変だった。
体はもちろんボロボロでフラフラヨタヨタしてたんだよ。

あまりに危なっかしくて、
皆でどうにかしようと考えたんだけど
誰も飼える家がないわけ。
ちなみに俺の家は、既に猫2匹飼ってて
とても親に頼める状況ではなかった。

でもこのまま放っておいたら、
車にでも轢かれるんじゃないかと思って考えた結果、
動物病院に連れて行ったんだ。
でも残念なことにその日は休診日であいてなかった。

結局、元いた公園に戻ってきたけど
どうすればいいか分からなくなった。
それぞれ門限の時間が迫ってきたし、
とりあえず安全な場所に隠しておこうってことになった。

近くにあったスーパーに置いてあった
ダンボール持ってきて、
家に近いやつが新聞紙と小さいタオル持ってきた。
スーパーで買ってきた牛乳を、
そこら辺に落ちてた発泡スチロールに入れた。

「ここにいるんだぞ」と言って
みんな名残惜しそうに帰った。

次の日、朝っぱらから公園に自転車猛スピードでこいで行った。
茂みに置いたダンボールを見たら、
相変わらずボロボロな猫がいた。
もうその時の俺の喜びようったら。

野良猫だし、どっか行っちゃったんじゃないかと
ドキドキしてたんだよね。

でも猫はそこにいて、牛乳も少し減ってた気がする。

その後友達も来て、
ダンボールの中にいれたまま狭い公園の中を散歩した。
で、帰る時にまた牛乳をいれてウキウキ気分で帰ったんだ。

その次の日も公園に行った。
猫飼ってたからカリカリも持って、
ワクワクしながら行ったわけよ。
このまま大きくなるといいなーなんて思ってた。

で、ダンボール覗いたら猫いたんだけど、
横たわってたんだよ。
寝てるのかと思ったんだけど、
変な風にピクピクしてて様子がおかしかったんだ。

俺はとにかくパニックになって、
今日は友達も来ないって言ってたから
どうしたらいいのか分からなかったんだ。

病院に連れて行けばよかったんだけど、
連れていけなかったんだ。
公園でエサあげてたのを話したら
怒られるんじゃないかとか、
お金持ってないし
親に話しても怒られるんじゃないかと思って。

今思うとバカだったと思うけど、
当時は猫が可愛くて仕方なくて甘い考えだけど、
元気になるまで育てたかったんだ。

で、俺は半泣きになって公園をウロウロした。

書き忘れてたけど、猫はトッポって呼んでた。
多分猫と出会った時に友達がトッポ持ってたから、
って理由だったと思う。

とりあえず新聞紙とタオルでくるんで、
食べるかわからなかったけど
カリカリを山のようにいれた。

俺はずっと半泣きで
「トッポトッポ・・」って言いながら
公園をグルグルしてた。
たまに遊んでる子がすごい不思議そうな顔して
こっち見てたの覚えてる。

そしたら公園にいたおばあさん(おばさん?)が
近付いてきたんだ。

見たことないおばあさんだったんだけど、
「どうしたの?」って優しく聞いてきたんだ。
最初は泣きじゃくって話せる状態じゃなかったんだけど、
背中さすられて声かけられたら安心して全部話した。

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で、ダンボールのところに連れて行ってトッポを見せたんだ。
そしたらおばあさん、
少し黙ってダンボール抱き上げて
「おいで」って言ってから歩き出したんだ。

ついて行くと
公園から歩いて少しのところにある一軒家だった。
そこがおばあさんの家だったらしく、中に入れてくれた。

家の中に猫が数匹いて、
すごくおばあさんに懐いてたんだよ。
その猫達をなだめつつ部屋にいれてくれて、
奥の部屋からタオルやら牛乳やらを持ってきて
すごい看病してくれたんだ。

おばあさんが注射器(スポイト?)で
トッポに牛乳をあげてる時、俺はまだ泣いてた。
「病院つれていかないの?」とか
「助かる?」とか絶え間なく聞いてた気がする。

おばあさんは看病しながら、
「この猫ちゃんは今頑張ってるから、
神様にお願いしたらきっと助けてくれるよ」
って笑ってくれた

ここら辺記憶が曖昧だけど、
色々手伝ってたら時間になってその日は帰った。

次の日は、友達と直接おばあさんの家に行った。
ずっとトッポが気がかりで、
万が一のことを考えたら泣きそうだった。

おばあさんの家に着くと、すぐに部屋に通してくれた。
そこにはダンボールから出たトッポが座ってた。
よかったー!って俺も友達も大はしゃぎ。
頭撫でたり可愛がってあげたんだ。

おばあさんに任せておけば安心だし、
次の日は親と出掛ける用事あったから
「また明後日来る!」ってご機嫌で帰宅したわけだ。

で、その二日後おばあさんの家に行ったんだ。
いっぱい遊んであげようとワクワクしてた。

家に着くとおばあさん出てきたんだけど、
中にいれてくれなかったんだ。
なんとなく悲しそうな顔してたから、
俺分かっちゃったんだよ。

「トッポ、死んじゃったの?」
って手震えながら聞いたら、
おばあさんは黙って頷いたんだ。

ここからも記憶が曖昧なんだけど、
おばあさんの庭にはトッポの墓が出来てた。
泣きじゃくる俺をおばあさんはずっと慰めてくれた。

「君がいなかったら美味しい牛乳も飲めなかったし、
優しい人になでなでしてもらえなかったよ。
一生懸命面倒見てくれた君のこと感謝してると思うよ」
って言葉だけはすごく覚えてる。

今思うとおばあさんは
多分トッポが長くないことを知ってたような気もする。
病院連れていかなかったのも、そのせいなのかな、と思う。

結局それ以来、おばあさんの家には行かなくなったけど
トッポのことはずっと忘れられなかったんだ。

ここからはつい最近の話。
今は大学生になったけど、
トッポのことは忘れるにも忘れられない思い出になってた。

この間大学に用事があった時の帰り道、
自転車であの時の公園の前を通ったんだよ。
いつも通ってるんだけど、
その日はなんとなく公園の中を見たくなったんだ。

小学生の時以来その公園の中に入ることはなかったから、
すごい懐かしくてさ。
ちょっとベンチに腰掛けて、
公園で遊ぶ子供達をボーッと眺めてたんだ。

そしたらさ、
目の前にフラフラーって猫が通ったんだ。黒と白の。
よく見たらトッポと同じ模様だった。
前足二本が靴下模様になってて、
口のところが八の字?に白くなってる猫。

その猫があまりにもこっちをジッと見てくるから、
見つめてたら突然涙がボロッボロ出てきたんだw

小声で「もしかしてトッポ?」って聞いたんだ。
周りから見たらただの不審者だったと思うけど。
そしたら足元に擦り寄ってきて、鳴いたんだ。
グルグル喉ならして。

ただの馬鹿な奴だと思うけど、
俺には何故かそいつがトッポとしか思えなかったんだ。
ボロッボロ泣いてたらニャーって一鳴きして歩いていった。
で、こっち振り返って頷くような仕草して
公園から出て行った。

不思議な体験したのはこれで終わり。
なんか恩返しって言うか
お礼って書いたほうが正しかったな…。すまん。

ただの偶然かもしれないし、馬鹿かもしれないけど、
この季節にあの公園で同じような猫に出会うって
頭がおめでたい俺には
トッポの仕業としか思えないんだよなww

とりあえず書きたかったんだ。
読んでくれた方ありがとうございました。

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