過労で鬱になってた。
会社から出される山のような薬と
それを飲みながらの、山のような仕事。
やってもやっても終わらず先が見えず
イライラして不安定になって、
嫁に当たる事が多くなった。
手をあげるとかじゃなくてさ。
なんかもう、
自分が自分じゃないような
もうヤケと言うか、
落ちる所まで落ちてしまえと言う
気持ちも強くて。
ある休みの前日、
やっぱり嫁に強く当たって眠った。
冷たい雨が降る薄暗い朝、
自己嫌悪で気持ちは最悪で
起こしに来た嫁に、
もう別れたいだろうと聞くと
「え?全然?」と言われた。
なんだそりゃ、初耳だなってぐらいの
キョトンとした顔で言うんだよ。
辛くないのかって聞いたら
「辛いのはあなたでしょ、
ちゃんと分かってるよ」と
毎朝飲む薬と水、
毎日測る血圧計を持ってきてた。
血圧をブーンと測ってる間、
不覚にも涙が出た。
「まだ眠いでしょ、
もう少しゆっくりお休み」
と言われ布団をかけられ
昼ぐらいに起きたらメシのいい匂い。
炊き込みご飯作ったのよーって。
飯をよそう嫁がもう、
嫁というか母というか、
菩薩のように思えた。
ダメだな俺。もうやめよう。
しっかりしよう。