いじめっ子を合法的にこの世から排除した

小学生の頃、Yという同級生に1年生の時から
奴隷扱いされていた。

Yは親がヤ○ザという噂で、
怖いもの知らず。Yのターゲットはぼくのみ。

5人の悪い奴軍団の下っ端だったYだが、
ぼくにはとてつもない恐怖の存在だった

ぼくは優等生で成績もそこそこよく、
決まりごとは当然守るし、暴力はもちろん大嫌いだった

Yはそれを知った上でぼくに万引きを強要したり、
野良猫の尻尾を切れと命じたりした
(猫は捕まえられなかったからやらずにすんだ)

他にも女の子の前での辱め・宿題の代理・放課後の使い走り(金はもちろんぼく)
ゴキを食べさせられる・理由無き暴力・・・

6年生の秋まで、毎日何かしらやられていた
Yは頭は悪いくせに狡猾で、
見えないところでそれらを実行する。
ぼくはいじめられているのが恥ずかしかったから、周囲には
「Yとは仲良く、これは友達の悪ふざけなんだ」
という取り繕いをしていた。

だから同級生は、ぼくがそんなに酷くいじめられているとは
夢にも思っていなかった。

毎日が本当に苦痛だったが、
母に知られ悲しませるのがイヤで誰にも言えずただ耐えていた

ぼくは気が弱く、体格もガリガリでひ弱。
やり返すことなんてできなかったし考えもしなかった
中学卒業までの我慢を思うと気が遠くなり、かといって
母が悲しむから死ぬのもできないし学校を休むことも出来ない。

いつからか、いじめられた時の「イヤだ」
という感情を押し殺すようになってた。

あの窒息しそうな閉塞感、
永遠に続く絶望をこの板の人なら分かってくれると思う。

母は生来病弱で、よく入院していた。
優しくて綺麗で賢く、大好きだった。

6年の遠足の時、
その母が作ってくれた玉子焼きを、
Yは汚い足でぐちゃぐちゃに踏み潰した
旨そうだな、よこせ!と言って奪った後、
一口食って吐き出し踏み潰した

まっず!まっず!なんだこれ!くそまっず!
と言いながらぼくの弁当を蹴り上げた

そして弁当箱は泥の中に埋められた。
ぼくは母を殺されたような気がした。
ぼくは泣きながら、Yを殺そう、と思った。
でもただ思うだけで、何の方法も思いつかず
「死んでくれ」と心から祈るしかなかった

ある日Yに遊びに呼び出された。
いつものように母には笑顔で、いってきます!
と元気に家を出たが、もちろん死にたくなるような苦痛だった。

近所のマンションの非常階段はらせん状で、
周りが鉄柵で覆われていて、
その鉄柵は切れ目なく屋上階まで続いていた。
その階段横で6年生のくせにくだらない戦隊ごっこにつき合わされていたら、
Yがヒーローのマネをして柵の外側を登り始めた
ぼくにも登れと言い出したがなんとか断った
Yはさらに上へ猿のように登る
ぼくは普通に内側のらせん階段を使って2階へ。
Yは外側にいて、柵には切れ目がないから中には来れない。
Yは外から階段に足を掛けてしばらく休憩するとまた上の階段の足場まで登る
ぼくはYを追いかけて階段を上がる
ぼくはいつしか「Y君!危ないよ!降りてよ!」と叫んでいたが
Yはどんどん登っていき8階くらいまで登った時、手を滑らせ落ちた。
下はコンクリートで固められていて、頭から落ちたらしいYは亡くなった。
ぼくは下も見ずに8階でずっと大声で泣いていたから、死に様は見ていない。
泣き声に気づき出てきた住人に「友達が落ちた」と伝え 、
その後はパトカーや救急車やいろんな人が集まり
両親が来てから一緒に警察署(の中のロビーみたいなとこ)に行き、
誰か来るたびに事実を何度も話して

嘘はついてないが今まで言わなかったこと
4階くらいでさすがにちょっとビビった様子のYに
彼にしか聞こえないような声量で

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「さすがだなー!かっこいいなー!○○レンジャーみたいだ!」

と褒めおだて続けたこと

「やっぱり降りようよ!」

とは、わざと大声で言ったこと
泣いた理由がうれし泣きだったこと
憎かったけど何も出来なかったし、
自分の罪になるようなことはしたくなかった
神様っているんじゃないか、
きっと助けてくれたんだって心から思ってずっと泣いていました。

その涙のせいか「悲しんでいる」と周囲からは同情され、
余計なことは聞かれず
うそをつく必要もなく、物事は収束していきました。

もともと同級生から嫌われたりはしていなかったので、
それ以降本当に楽しくすごしました。

蹴り落とすなんて恐ろしいことはできないですよ

ぼく「ヒーローみたいにその柵登れる?」

ぼく「○○君は5階まで登ったってさ(作り話のウソです)」

Y「俺もできるわ!こんなもん怖くねーし!」

そんな感じでどんどん結構な速度で登っていきました。
4階くらいで「喉乾いたからいったん降りる」とか言ってました

「じゃあここでギブなんだね」

「ギブとかなめてんのかテメー」

そして6階くらいへ到達

ぼく「屋上まで行ったらすごいね!」とか確かいいました。

ぼくはYをなるべく高く登らせるのに必死でした
ぼくの責任にならずに大怪我させよう、
と考えていた気がします。
蹴り落とす・・・そうできてたらなんて爽快だっただろうに、
と事後に想像したりはしました。
同時に、もしやってたら今頃警察に捕まって、
とか恐怖もありました。
落ちる瞬間は、偶然見ていません

螺旋階段ですから、
ぼくがYに背を向ける位置の時に音もなく落ちていきました
というか、叫び声や落下音や激突音、聞いて無いんです。

無かったはずが無いんですが。
でも落ちるところや落ちたYを見なくてよかったし、
何も聞かなくてよかった。

おかげでその後に思い出してもトラウマのようなイヤな感じはしません

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