うちの実家は旅館で後継者もいないから廃業にして取り壊そうとしたら建物を破格の値段で買いたいという話が来た

うちの実家は元々旅館で、
祖父が他界したときに
後継者がいないからと廃業にした

老舗旅館だったために
かなりいい陶器や漆器があって、
親戚で目利きのできる人が一部を買っていった

残った物も、よい品は
美術館や郷土資料館に寄贈して、
それでも余った分は親戚や
近所の欲しい人が持っていったので、
ゴミ以外は何も残らず綺麗にさばけた

スポンサーリンク

建物は父が相続したけど、
管理が大変でどうしようかと
親戚で相談しつつしばらく放置してたら

他県の人から、
建物を破格の値段で買いたいという話が来た
(そこで商売をしたかったとか)

相手の希望で、建物内の家具等は
そのまま引き渡すことになったけど、
器は前述のとおり人手に渡っちゃってるので
その旨を伝えたら
「建物を買い取って欲しければ、
器を残らず回収してセットにしろ」
と言われてスレタイ

「別に買い取っていただかなくて結構」
と父が怒ったら、
予想外のリアクションだったらしくて

「いいの?本当に手を引くよ?
他に買い手なんてないんでしょ?」
みたいに慌ててたけど
父は極端に頑固な人なので、
一度売らないと決めたら売らないんだと一蹴

「じゃあ器はいいから」と相手が折れても、
頑固親父はてこでも動かず

すごく古いから歴史的価値はあるのかもしれないけど、
修繕するのにものすごいお金が必要だし、
自治体からの助成金なんて
万が一出たとしても雀の涙だろうから、
直すとなると本当に大変

スポンサーリンク

相手はその辺を突っついてきたんだけど、
父は「誰が直すと言ったんだ」と鼻で笑って
いい機会だからと、その年の内に建物を壊して
更地にしてしまった

親戚の間でも持て余し気味だったから
「いいんじゃない」って感じで誰も反対しなかった

相手の人は実は本当にその建物が欲しかったらしく、
自治体にどういう交渉をしたのか
役人を1人連れてわざわざ工事現場まで来た

でもそのときにはもう建物半壊の状態
役人も「個人の資産ですし、
言っても文化財になるようなものでもないから」
とやる気なしな感じで
壊されていく建物を2人して眺めてたw

建物内の家具で状態のよいものは
人に引き取ってもらったんだけど、
あとからそれをどこかで聞きつけたのか
例の人から
「せめて家具だけでも
譲ってくれたらよかったのに」
と恨み言の電話がきてまたスレタイ

たまたま電話に出たのが父だったもんで、
怒り心頭でぶちきれたら懲りたのか
その後は何の連絡もない

母が言うには、あちらが提示した金額っていうのが
相場の倍近かったらしく家具込みだとしても、
ちょっと破格すぎるくらいだったって

いくら観光地の中の土地としても、
どんどん鄙びていってるところだから
そこで一攫千金をもくろむのもおかしい話だし
酔狂な金持ちなのか、極端な世間知らずなのか、
それとも何か狙いがあったのかと、
両親は話が来た当初から警戒してたそうな

寄贈した器の中には
それこそ文化財になったものもあるから、
それが狙いだったのかも?

スポンサーリンク