小学校4年の時、担任の女性教諭との面談で
「仲の良い人は誰ですか」
「クラスの中で誰が一番好き?」
「クラスの中で誰が一番嫌い?」
という3つの質問をされたこと
1番と2番はまだ分かるが、最後の質問は
本当に何故こんなことをきくのかとムカついた
嫌いな人、として名前を出された人が
どんなに傷つくか良い大人が考えないのかとビックリした
「別に嫌いな人はいません」
と答えた。
これは本当で、特に思い付かなかった
だが担任はしつこくて
「誰かいるでしょ。Aさんとか」
と、級友の名前を挙げて誘導しようとした
Aさんは大人しくて、いつも同じ服を着ている子で、
忘れ物も多く、担任自身がAを嫌いだったのかもしれない
今思うとAは担任にきつく当たられていた気がする
Aは漫画を沢山持っており、よく貸してくれたので、
実は私は彼女と仲が良かったのだが、
主に放課後の付き合いだったので担任は把握しておらず、
うっかりAの名前を出したらしい
仲のよいAを「嫌いな人候補」として挙げられた私は
完全に頭にきてしまった
「私、Aちゃんと仲よしなんですけど。
先生はどういうつもりでAちゃんの名前を出したんですか」
先生は「しまった」という顔をしていた
多分よく考えれば「うっすら苦手な人」位は
いたかもしれない
でもわざわざそんなこと考えたくないし
そんなのは本当の「嫌い」じゃない
「嫌いな人」として口に出せば今後、
私は罪悪感に苦しむ気がした
「ごめんね、でも正直に話して欲しいの。
1人位いるでしょ嫌いな人が」
「…先生」
「えっ?何て?」
「私、先生のこと嫌いです。
もう教室に帰っていいですか」
そう言ってポカンとしてる先生を置いて教室に戻った。
先生を嫌いといったのは嘘じゃない
本当に、急に嫌いになったのだ
「お帰り。面談どうだった?」
「最悪!嫌いな奴の名前言えって言われた!
いませんって言ったのにしつこくて。
頭きたから『先生が嫌いです』って言って帰って来た!」
教室がザワザワし始めて
「えーマジ?」
「いい先生だと思ってたのに」
と皆 憤慨し始めた
言い忘れたが、面談は名前の順だったので私が一番最初だった
私に続いて面談した同級生たちは ほぼ全員が
「嫌いな人は先生です」と言って帰ってくるという異常事態に
先生はその後学校を休みがちになり、
1カ月後にはクラスに来なくなり、
ついに辞めてしまった
私が原因だと思い申し訳ない反面、
「自分だって嫌われたら傷ついてるじゃん。
いい大人が、子供に嫌われたくらいで。
なら、あの質問がどれだけ残酷でひどい質問だったか、
分かってくれたかな」
とも思った。
人1人の人生を狂わせてしまったのは本当に申し訳ないと思うが、
当時に戻ってもやはり同じ事をすると思う