子供の頃、ゲームボーイが流行っているというニュースを見たうちの父は
自室で隠れてコソコソと出来るゲーム機なんて許せん!と、
ゲームボーイ禁止令を言い渡した。
当時欲しかったゲームボーイソフトがあったので、
自室ではやらないことを条件にゲームボーイとソフト購入を父に懇願するも
「うちにはゲーム機(スーファミ)が既に1台あるのに
2台も買うのは金の無駄」と許可してくれなかった。
でもどうしても諦めきれない自分は意を決し、
お年玉を使いゲームボーイとソフトを購入。
自室にこっそり持ち運ぼうとしたら運悪く父と鉢合わせてしまった。
自分の手にはゲームショップの袋をぶら下げている。
「これは友人が買ったんだけど、俺がやりたいと言ったら気前よく貸してくれて…」
…我ながら無理がある言い訳だった。
ちょっと前に高嶋ちさ子が息子のDSを
バキバキにした事件が話題になったが、
うちの父も激怒したら躊躇なく破壊するタイプだ。
ただ、友人のものと言い切ってしまえば
さすがに手出ししないだろうと考えていた。
全く信用していない父は友人宅に電話をかけ友人が出ると
「〇〇の父だが、君が今日買ったゲームボーイを
貸してくれたと〇〇が言っているのだが本当か?」と聞く。
口裏合わせなんてしてないので友人は当然「何のことですか?」と聞き返す。
「おい〇〇!やっぱ嘘じゃねーか!彼は何も知らんぞ!」と父大激怒。
顔面蒼白で受話器を受け取った自分は
「なにいってんの?w貸してくれるって言っただろwwwな!な!」と涙目で訴えかける。
再び受話器を受け取った父は「おい君、本当はどうなんだ!」と怒鳴る。
万事休すか…と思っていたのだが、自分の必死な心の叫びが通じたのか友人は
・実は貸した。
・ゲームボーイ禁止のうちの事情を知っていた(これは本当)のでかわいそうだと思った。
・怒られると思って最初は知らないふりをしてしまった。
と咄嗟に嘘をつき、父に平謝りで詫びてくれた。
たぶん電話越しに察して同調してくれた友人の嘘を父は
見抜いていただろうと思う。
でも友人に軽く説教するだけで深く追求しなかった。
次の日「おめーよーなんで俺が説教されなきゃならんの?w」
と小突いてきた友人を本気で抱きしめたくなった思い出w