持病でよく夜間緊急に行くんだが、そこで色々な人を見る。
中でも強烈に覚えてるのが二つ。
ひとつは、地元暴力団同士の抗争で
刺されて運ばれてきたオッサン。
他の処置室がいっぱいだったせいか
私が点滴打ってる隣にきた。
何事かと思って隣を見たら、
オッサン真っ赤に染まってた。
おまけに物凄く苦しそうにう~う~唸ってて、
今にも死ぬんじゃないかと怖かった。
外科の先生が大慌てで呼ばれて
即手術室に運ばれていったけど、
しばらく赤いのが怖くなって、
採血でさえ心臓が跳ねるようになった。
その上、付き添ってきてた
暴力団の若い兄ちゃんたちと
後から駆けつけてきた警察官が待合室で大喧嘩。
休憩とってた母の目の前で
現行犯逮捕されて引っ張ってかれたらしい。
もうひとつは数年前の春。
急性アルコール中毒で運ばれてきた大学生。
こっちは先生たちの声が漏れ聞こえただけだけど、
救急車の中で亡くなったらしい。
気の毒になと思いながら
自分の処置が終わったので待合室に出たら、
亡くなった学生さんの友人が
大声で泣いたり喚いたりしてた。
『○○がこんなに飲ませるから』とか、
『こんなことになるとは思わなかった』とか、
『アイツが飲むって言ったんだ』とか。
でもさすがに
途中で亡くなった学生さんのご両親が来た時は
シンとして、 何人かは土下座して謝ってた。
そのうちそれぞれの親が駆けつけてきて、
待合室は更に大混乱。
病院スタッフが慌てて
学生さんのご両親以外は全員外に出ろと注意。
すべてのやり取りをぼんやりとした顔で見てた
学生さんのお母さんが目に焼きついてる。
その場で泣いたり喚いたりしてない分、
なんかこっちの胸まで痛くなった。
酒は怖いと、心から思った深夜の出来事。