発展途上国に要らない服や鞄を送るボランティアがあった。そこで元彼からもらたシャツを送ったら・・

私の高校は被服科のあるところだった
私は普通科だったが被服科の彼氏(以下D)ができた
Dはデザイナーを目指していて、
私に一着の服をつくってくれた

学生ながら結構質もよく、
個性的な刺繍がある白いシャツで
かわいかったのでよく着た

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そのまま卒業まで仲良かったんだけど
私が第一志望の大学に進学が決まり
自然消滅の形で別れた

で、大学時代、要らない服や鞄を
発展途上国に送るボランティアがあった

例のシャツには思い入れもあったんだけど
そのとき付き合っていた彼に悪いなと思っていたこと、
もうシャツがくたびれていたこと、
かといって捨てられなかったこと、
あれから成長期がきて身長が10㎝強伸びて
つんつるてんになってしまっていたことなどで
そのシャツをボランティアに出すことにした

ボランティアに出す服にはメモをつけることが出来たので
「この服には私の幸せな記憶がいっぱい詰まってます、
これを着るあなたもそうなりますように」みたいな
ポエムみたいなことを辞書引きながら英語で書いた

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で、時は流れてアラサーに差し掛かった頃に
高校の友人から呼び出され
久しぶりに会うとある業界紙を見せられた

東南アジアのその業界の特集記事だった
そこに写っている女性があのシャツを着ていた

これってDがお前に作ったやつだろと言われて
ええー!となって読んだら
記事のなかでシャツについて触れられていて

ボロボロでしょ?(笑)
これは日本のボランティアにもらったもので
貧しい生まれの私が希望をもらった服。
日本の取材ということで
久しぶりに着てみたということが書いてあった

そのあと、その友人が
Dにもその業界紙を見せたことでDと再会して、
意気投合してまた付き合いはじめて今月結婚式をあげた
私の苗字もDになった

もう30も半ばになってきた
普通の外見したおじさんとおばさんだけど
こんなロマンチックな話があるなんて
事実は小説より奇なりだなあと思う

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