以前、海外ドラマの「CSI:科学捜査班」にはまってた時期があった。
ドラマの中で事件現場を検証する際、
科学捜査班の女性メンバーはツナギを着てることが多かった。
ツナギ着て、無造作に髪を結んで現場検証、
時々、両手をポケットにつっこんで
立ち尽くす姿がものすごくかわいくて、
かっこいいと思えたので早速自分も真似てみた。
いろんなお店に行ったけど、中々ツナギが売ってなくて
最後は「職人の店」みたいな職人さん御用達のお店に行って、
オレンジのツナギを購入。
本当はCSIみたいに紺のツナギが欲しかったけど、
その店ではカーキ色やグレーが多くて紺はなかったので、
見栄えがいいかとオレンジにした。
それからはず〜っとそのツナギ着てた。
大学生だったので、毎日ツナギ着て学校に行った。
ツナギで電車にも乗ったし、遊園地や映画、ランチや飲み会もツナギ。
成人式もツナギで行ったし、夏場も袖をまくってツナギで過ごした。
ある時、あまり話したことなかったリア充グループから合コンの誘いが来た。
自分のセンスが認めてもらえたんだ、
男っぽい格好してるけど内面から湧き出る女性らしさとの
アンバランスさが絶妙で、私、輝いてたんだ!と、とても嬉しかった。
そして、合コン行ったよ。
リア充がイケメン達に私を紹介した。
「同じ学校のリアル・ダイノジだよ〜」
イケメン達、大爆笑。
ダイノジっていうお笑いコンビの太った人が、
オレンジ色のツナギ着てネタやってたとか。
合コンでは「オオチ」と呼ばれ続け、「う〜、ダイ!」というネタをやってと
ものすごくせがまれた。
誰も私をCSIのようだと言ってくれず、長年続いたツナギ生活を止めた。
思い出すと、ちょっと死にたくなる。