俺中学ん時すごい背が低くてさ中三で148cmしかなかったのよ
それがコンプレックスで女子を前にすると
真っ赤になって話もろくに出来ないコミュ症だったんだ
(今でも女性と話しする時は緊張する)
顔も童顔で勇ましさの欠片もなかったから
女子からよく弄られては顔真っ赤にして固まってたんだ
そんな時いつも「みんなやり過ぎだよ~ゴメンね俺くん」
って助け舟を出してくれてたのが嫁さんだった
嫁さんは明るくて頼りがいのある
委員長タイプで皆の輪の中心にいるような子で俺と真逆の性格の子だった
女子に免疫ないからイチコロで恋に落ちるんだけど
チキンどころかヒヨコにすら負ける性格の俺は
口説くどころか話しすら出来なかった
嫁さんに助けられる度に「あっ」とか「うっ」とか
真っ赤な顔で固まってマトモに御礼すら言えなかった
当時の俺を殴り飛ばしたい
嫁さんの身長が俺より15cmも高かったのが
尚更コンプレックスを刺激してそんな対応しか出来なかったんだよ
そんな俺だけど進学先が違うため会う機会がなくなるから
流石にマズイと思い中学の卒業式の後に一大決心して
校門で友人と写真撮ってた嫁さんに話しかけた
俺「あっ、あの」
嫁「俺く~んどうしたの?」
俺「えっと」
嫁「何なに?ど~した~?」
もうこの時点でパニック!顔真っ赤っかな俺
俺「い、いろいろありがとうサヨナラ」
告白するつもりだったけど俺にはこれが精一杯だったダッシュでその場を逃げだしたんだけど
嫁「待って~」って追いかけてきた嫁さんに捕まって
嫁「わざわざ御礼言いに来てくれたんだ?」
俺「うっ」
嫁「恥ずかしがり屋の俺くんが勇気出してくれたんだね?ありがとう」
俺「あっ」
緊張でガッチガチになってマトモに返事出来なかった俺に嫁さんが
嫁「あぁ~もぅ俺くんはカワイイなぁ~」って頭なでなでされた
俺「…」
びっくりして固まってる俺に嫁さんは
嫁「高校行っても頑張ってね!私も頑張るからね!」
って握手して去って行った
ホント自分が情けなくてな「俺もっと頑張んなきゃ」って猛烈に反省したよ
何か一つでも嫁さんに勝てるようにならなきゃダメだと思った
「彼女に甘えてばかりで告白なんておこがましい」ってね
せめて身長だけでも追い抜かないと男って認識されない、
コンプレックスを無くさなければと考えたんだ
そこで同じ高校に進学する幼馴染の親友(中学から私立行ってて
彼はエスカレーター俺は一般入試)に相談してダメだしされながら色々頑張った
嫌いな牛乳を毎日飲み中学では帰宅部だったがバスケ部に入り身体を鍛えた
成長期もあってか身長は高校三年間で20cm以上伸びたが
相変わらず女子の前では顔真っ赤で喋るのも一言二言だった
ガキの頃のコンプレックスってなかなか消えないもんだな
三つ子の魂百までとは良く言ったもんだよ(使い方あってる?)
他県の大学に進学してもそれは変わらずだったけど
関わる人が増えた事で少しはマシになった
そんな時に旧友から
「成人式の日に中学の同窓会をやるんだけど帰ってくるか?」
と連絡が来たので嫁さんの参加の有無を幹事に確認したら参加するとの事だった
幹事の友人に「お前まだ好きだったの?(笑)」
と言われ誰にも言ってないのに何で俺の儚い恋心がバレてたのか内心修羅場だったが
友人達から見れば俺はいつも目で嫁さんを追いかけては
真っ赤になっててバレバレだったらしい(笑)
恥ずかしかったけど嫁さんに会いたい気持ちが強く参加すると伝えた
「女の子と話し出来るようになったか?手伝おうか?」
と幹事ら仲良かった数人から嬉しい助言があり
「まだマトモに会話出来ない」旨を説明しアシストを頼んだ
同窓会当日(成人式の夜)会場の居酒屋へ行くと
まだ男の友人たちばかりで女子は居なかった
(振袖から普段着に着替えて参加する為に遅れてたらしい)
そこで幹事が何を思ったかその場に居る全員に俺の事をバラして
援護を求めやがった(笑)正直そこまで話が広がるとは思ってなかったし
ただ嫁さんに会いたいだけだったんだけど暖かい旧友達の激励に
恥ずかしがらずにキチンと喋ろうと決意をあらたにした
しばらくして女子達が連れ立って
居酒屋に来たんだが友人達の巧みなアシストで嫁さんが
俺のテーブルの向かい側に着席
嫁「俺くん久しぶり~」
とあの頃と変わらない可愛い笑顔で話しかけてくれた
俺嬉しくって嬉しくってさ顔真っ赤にしながら
俺「嫁さん久しぶり相変わらず綺麗だね」って言っちゃってた
嫁さんも周りの女子達もビックリして一気に注目されちゃって
女1「嘘でしょ…俺くんがちゃんと喋った」
女2「お世辞まで(笑)成長してる(笑)」
なんてからかわれ始めたんだがそこで嫁さんがピシャリと当時のように
嫁「も~皆からかわないの!俺くんは昔から変わらないよ」って諌めてくれた
その声に俺は嬉しさと悲しさでいっぱいだった
「あんなに頑張ったのに…身長も伸びたのに…
やっぱり俺は変われなかったんだろうか?」と…
嫁さんは続けて言った
嫁「卒業式の日もちゃんと御礼言ってくれたんだよ!
あの頃のまま変わってない」と…
嫁さん覚えてくれてたんだよ卒業式の俺の勇気
もうテンション爆上げ(笑)まだ一滴も飲んでないのに
茹でダコよりも真っ赤になっちゃって
俺「お世辞じゃないよ…嫁さんは昔から綺麗だった」
とか言っちゃう俺(笑)
それ聞いた嫁さん「えっ?」って驚いて嫁さんまで顔真っ赤になっちゃって
俯いて「嬉しい」って俺にしか聞こえないぐらい小さな声で呟いた
周りの女子から囃し立てられ俯き真っ赤な俺と嫁さん…
そしたら周りが
女1「俺くん告っちゃえ」
友1「おい女1冷やかすなよ」
女2「良いじゃん良いじゃん」
友2「二人とも困ってんじゃん」
なんて騒然とした感じになってきたもんだから
いつも助けてくれた嫁さんが真っ赤になって俯いてる姿に
「俺がなんとかしなきゃ」と勇気を振り絞って出た言葉が
俺「け、け、結婚してください」
だった
湧き上がる旧友達の歓声に包まれた嫁さんを見たら俯いた顔から涙をポロポロこぼしながら泣いてた…
やっちまった~なんでここでプロポーズしてんだよ俺~終わったoπと思ったら嫁さんが
嫁「よろしくお願いします」って
俺含めて男連中全員リアルで
エェエェエェエェエェエェエェエェエ(゚Д゚ノ)ノエェエェエェエェエェエェエェエ
状態に(笑)
女1に「良かったね~嫁ちゃん」って言われて
嫁さん号泣その間に聞いた女1女2の話によると
中学時代から嫁さんも俺の事が好きだったらしい
俺が高校でバスケ部に入ったの聞いて試合も一緒に観に来てたらしい
女2「いっつもアンタの話ばかりされてたよ(笑)」
って言われたけど全然気付かなかったよ俺
幹事から「いい加減乾杯しても宜しいか?」
と言われ了承したら何故か乾杯の音頭が祝成人ではなく
全員「俺、嫁ちゃんおめでとうカンパ~イ」でまた顔が真っ赤に(笑)
宴会の中で女子達から中学時代に俺を弄ってたのは
嫁さんと俺を近づけるためだった事と
そんな事しか思いつかない子供だった自分たちの非礼を丁寧に詫びられ
実は女子陣も今回の同窓会で嫁さんの初恋を実らせる
援護射撃の準備をしていた事も聞いて
「絶対に幸せにしないと許さないからね」と有難い脅しもいただいた
その日から付き合いはじめて俺が大学を卒業して就職し無事結婚できたよ
今回帰省したのは嫁さんの出産準備のためだったんだけど、
ついでに実家の片付けをしてたら嫁さんが
俺の中学時代の学ランを見つけて来たんだ
で学ランの第二ボタンがついて無かったんで
「あれ?ボタンがない?」ってなってたら嫁さんが顔真っ赤にして
嫁「卒業式の時は恥ずかしくて貰えなかったから
さっき貰っといた出産の御守りにするの」
って恥ずかしそうにトイレに逃げこんだ姿に萌えたぜ(笑)
来月にはお父さんになるから更にしっかりしなくちゃと
決意を込めて俺と嫁さんの馴れ初めを投下させてもらった