どっかの団体の人が  「日本人は働きすぎ!休まなければいけません!」 と病院の職員に向かって騒ぎ立てた

個人医院勤務です。
最近院長の娘さんが跡継ぎとして入職しました。
小児科医として最高の資質を持ってるというか、
とにかく優しくて穏やか。

白衣の変わりにアニメ柄のエプロン着用、
看護士も白衣をピンクやモスグリーンに移行、
診察室にポスターを貼り、ぬいぐるみや花を
飾り恐怖感を出来るだけ失くし、
おりこうさんにしてたごほうびにと、帰りに飴を一つ。

夜中だろうが朝だろうが昼休みだろうが往診もするし

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小さいぬいぐるみをもってあやしながら診察して、
患者さんからの評判も最高。
眠りかけの猫似のおっとり系お嬢様で、
職員にも気配りを忘れない良い人です。

ある日どっかの団体の人が
「日本人は働きすぎ!休まなければいけません!」
とロビーで騒ぎ始めました。

なんかゆとりがどうのこうのと言って、
「土曜日も仕事してるなんて、
週休二日が当たり前の世の中になってるのに」
「労働者のプライベートなくつろぎの時間を削り、
家庭生活の崩壊を招く」

「少年犯罪が増えてるのも
親が子と過ごす時間が減っているからで、
過酷な労働条件を強制する事で、
犯罪の増加に加担している」
と、ゆんゆんな事を熱弁。

20人くらいの観衆(患者さんと保護者)
がいる事が余計活気づけた様です。
仕事の邪魔だからと帰ってもらおうとしたのですが、
院長に話をさせてくれの一点張り。

その日院長は学会でいらっしゃらなかったので、
副院長が登場。
お嬢の副院長じゃ太刀打ちできまいと踏んだ
怖めの師長が駆けつけたのですが
なんと鮮やかに撃退してくれました。

大体こんな感じ。
「後を見てください。
あなたにはあそこで真っ赤な顔をして
グッタリしてる子供が見えませんか。
私は働きすぎなので今日の診察は
中止するので帰れとあの子に言えますか?

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あなたの子供が夜中に高熱を出して苦しんでいる時、
もう休んでますからと診察を断られても
あなたは納得してお帰りになるんでしょうね。
その結果最悪の結末を迎えたとしても、
あなたの意見が認められた結果ですから満足でしょう。

ですが私はあなたの言う事は
バカの世迷言にしか聞こえませんし、
苦しんでいる子供を放置する事を薦められても、
医者としてではなく人間として
そんな鬼みたいなことは出来ません。

他人に仕事するな、
なんて余計な事を言ってまわる暇があれば、
働いたらいかがです?
そんな独りよがりな寝言を聞かせるよりも
その方がよほど建設的で世の為になるでしょうに。

あなたと話してると頭痛がしてきます。
ここは病気を治す所なので、
あなたのせいで病人が増えたら
余計仕事しなくてはなりませんから、
とっととお引取り下さい。

くだらない話を聞かされている間、
具合の悪い患者さんたちが待たされてるんですよ。
つまり「存在自体」が迷惑なんです。
ですからお帰りください」

私達はちょっと呆然。
あのお嬢が……

なおも食い下がろうとするヤツに有無を言わせぬ口調で
「お 引 取 り 下 さ い」。

そしてきびすを返して診察室に戻り、
何事も無かったように「次の方どうぞ~」。
これだけきつい事を言いつつも
冷静な口調で、かむ事も無く言ってのけ、
睨みつつも口元には冷ややかな微笑み…
実は強かったんだ副院長…

ヤツはスゴスゴと退散、
保護者からは拍手が出ましたが、
いつも「お姉ちゃん先生」
と呼んで副院長に懐いていた子供が、
神妙に診察を受けていてちょっと笑えました。

ちなみに事の経緯を聞いた父親である院長は
「あれは昔からなあ…冷静に怒るからなあ…
普段めったに怒らない分……なあ?…うん…」
とちょっと微妙な感想を漏らしてましたw

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