同窓会の話しだけど
母子家庭で周りと同じゲームや学用品を買ってもらえず
馬鹿にされてるA男がいた。
誰かから貧乏をからかわれていたけど、
「やめなよ!」という強気の女子がいて、
深刻なイジメにはならない。
まだそういう時代だったのは良かったのかもしれない。
同窓会でイジメのリーダーだったB男が
そいつに絡んでたが、
相変わらず笑って過ごしてた。
お開きになったときに
徒歩で帰る者、タクシーを相乗りする者、
運転代行に頼む者もいた。
B男は実家から車を呼んだようで、
○○工務店と書かれたワンボックスから
親戚の誰かが出て来て会釈した。
「おう!A男!うちの車乗ってくか?」
「車も買えないだろ?w」
と相変わらず馬鹿にした口調で
話しかけていた。
A男は
「俺も車呼んだからいいよ」
と爽やかに返す。
イジメっ子B男のワンボックスが走り去り、
しばらくするとBMWが止まる。運転席から美女が出て来た。
「お世話になっておりますA男の妻です」
と会釈をした。
その場にいた同級生はポカーンとしていた。
東北の田舎街には似つかわしくないような
垢抜けた美女を妻に迎えるなんて。
A男は俺を同じ方向だからと送ってくれたが、
社内で色々話をした。
国立大の夜間を働きながら通ったこと
奥様はアルバイト先知り合ったらしく、
お金がない自分でも支えてくれた存在であること。
兄や親戚がいた自分は
古い学用品をAにあげたりして、嬉しかった話をされた。
正直、捨てるくらいならとあげたくらいだし
哀れんでいたのは確かだ。
そんな自分が急に恥ずかしくなった。
実家前で車が停まると名刺をくれた
なんと、某大企業の役付きになっていた。
A君が僻んで道を外さず、立派になり
本当に良かった