子供の頃、押し入れに入っていたら「この花は、私です。窓辺に置きます」  と、突然父の声。

子供の頃、押し入れに入るのが大好きで、
留守番してた時、押し入れに入ってマッタリしていた。

すると、鍵が開いて人が入ってくる気配。
「泥棒かも?」と怯えて息を殺して閉じこもっていた。
すると

「この花は、私です。窓辺に置きます」

と、突然父の声。

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帰って来たのは父だった。
上記のセリフは、歌の歌詞(?)の一部だったらしい。
そこから、父の1人喉自慢が始まった。
最後は、「青い山脈」の替え歌

「むーねも膨らみ、毛も生えた~。
お尻も大きくなーりましたー
あーおいパンティをー、膝まで下ろし~
早くして~早くして~早くしないと ママが来る~♪」

真面目で厳格で、いつもムッツリしていた父が
歌うのを聴いたのは初めてだった。
しかも歌も変だし、出るに出られず、
ずっと息を殺していた。

父は散々歌って満足したらしく、
私が聴いていたことも知らず、夜はまた、
真面目で厳格な父親に戻っていた。

 
うん。一生忘れないと思う。
お父さんが、すごい気取った声で
「この花は私です」
とか言うんだもの。
私はその歌知らなかったから、
「お父さん、頭が狂っちゃったのかも」
と思ってすごい怖かった。
 
 

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