難病になった元旦那を棄てたこと。
しんどそうにしていても労おうとも思わなかったし
離婚に迷いなんてなかった。
理由はどうあれ現旦那には絶対言えない。
墓場まで持っていく。
長くなってしまうんですが、
お言葉に甘えて何のためらいもなく
旦那を棄てるまでを書きます。
結論から言うと元旦那はまだ生きてます。
風の噂で聞いた話ですが、
治療費を稼ぐ為に副作用が辛い薬を飲みながら
体に鞭打って仕事は続けているようです。
子供二人がいる家族四人暮らしでしたが、
生活費(電気水道ガス以外)は
毎週月曜日に一万円を支給されるのみ。
月曜日の朝に床に手をついてお願いして
一万円を受け取ることから私の一週間が始まりました。
旦那は前日の残り物を出すことを
絶対許してくれなかったので、
ひと月四万円で食費や消耗品の全てを賄えるわけもなく…
独身時代の僅かな貯金は五年の結婚生活で消えました。
美容室は旦那(便宜上こう記します)が指定した日に
年二回行くのを許可されていました。
化粧品は「しないと死ぬのか違うだろう」と
買ってもらえませんでした。
社宅住まいで周りは会社関係の人間のみ。
嫁を働きに出してると言われたくない旦那は
私が働くことを許しませんでした。
他にも旦那は
子供を近所の公園に連れて行く目的以外の外出を
認めませんでした。
(食料などの買い出しは旦那も一緒。
私が余計な物を買わないように監視する為)
何か出かける必要に迫られた時は旦那にメールして
許可をもらわないとだめ(緊急の子供の病院等は別)、
私の財布には二千円だけ入れるのを許可され、
公園帰りに自販機でジュースを買っても逐一報告…
自販機で買っても信用ならないから
ちゃんと領収証が出るスーパーで買え
(財布の残高にも監視が入ります。
公園以外の外出は禁止のはずなのに)など。
この期に及んでも私はモラハラを受けていることに
気づきませんでした。
それに気付くきっかけは
子供達が幼稚園に行くようになって、
お母さん同士で話すようになってからでした。
外出できる、人と会話ができるお迎えは
雨の日も風の日も苦になりませんでした。
旦那は私の交遊関係が広がることが
面白くなかったようですが、
そこは自分の評価を下げたくない旦那、
他のお母さんの前では
表面上はにこやかにしてくれました。
気の合うお母さんと話をする機会が増えてくるうちに、
同じ専業主婦のはずなのに
大きな違いがあることがわかってきたんです。
その頃から旦那は周りのお母さんと比べて
私を「みすぼらしいブス」「死神」
「◯◯くんのお母さんを見習え」
という言葉を浴びせるようになりました。
そして
「あ~あ、俺も◯◯くんのお母さんみたいな嫁がよかったよ。
このハズレ女が」と言われて何かが切れました。
他のお母さんが身綺麗なのは
当たり前のように旦那さんが給料を渡し、
その給料の中から美容室も買い物も
最低限必要な化粧品を買うのも、自分の意志でできる。
お前がやらないことを他の旦那はやってる、
私がみすぼらしいのは他でもない、お前のせいだ!
初めて反撃しました。
旦那は一瞬怯みましたが、
私はすぐにぶたれてふっ飛びました。
子供たちの目の前でです。
その時やっと、私に対する虐め、モラハラ、罵りは
子供たちが見てる前で行われていたことに気付きました。
それからは早かったです。
2年ぶりに実家に電話をかけ、母に助けを求めました。
旦那は私と母が接触しないように裏で糸を引いていました。
私が至らないと母に苦情を入れ、
私が母と祖父(母の実父)を悪く言ってると吹き込み、
実家と私を疎遠にさせていたんです。
何十分もかけて今までのことを吐き出しました。
母も私も声をあげて泣きました。
そして母は冷静に
「突然離婚を口にするな、逆上されるだけだ。
子供が冬休みに入るまでの一ヶ月だけ耐えなさい」と言い、
旦那が仕事でいない日時を指定してやり取りをしました。
こっそりお金も送ってくれた。
ありがたいけど本当に情けなかったです。
少しずつ着払いで実家に荷物を送っていた矢先、
旦那が体の不調を訴えて検査に行きました。
元々微熱でも俺は病人だと騒ぐ人だったので
いつものことだ程度に捉えていたんですが、
その結果が難病。
それを聞いてもなお、
旦那の今後よりも
私と子供たちの今後の方が大事でした。
気がついたら
「私にどうしろと言うの?」と言ってました。
旦那が項垂れて自室に戻る背中に、
これでもかというくらい
冷たい視線を送ったのを覚えています。
この時既に旦那は自分の病気のことで頭がいっぱいで
私にモラハラする余裕がなく、
そのおかげで思ったよりもスピーディーに動けました。
離婚届を突き付けたら旦那は泣きました。
俺を見捨てるのかと。
私はそうだと答えました。
あなたが私に手をあげた瞬間全てが終わったこと、
子供たちの目の前であなたが何をしてきたか、
あなたが病気にならなくても
私と子供は年が明ける前に家を出られるように
行動していたこと…全部ぶちまけました。
初めて謝ってきたけど、私はちっとも揺れなかった。
謝ったのは自分が不安に押し潰されそうだから、
必死だから。違うの?
旦那は黙ってしまいました。
有無も言わさず離婚届にサインさせ、
さっさと提出しました。
養育費はいらない代わりに
二度と私と子供に接触しない条件も飲んでもらい、
自分でも驚くくらいに何のためらいもなく別れました。
旦那は気が弱い父親なのをいいことに
男を作ったりとやりたい放題の母親を見て育ったから、
結婚したら男が家庭で強い立場になればいいと
思ったそうです。
気の毒だけど、
それで私にモラハラDVしていい理由になんてならない。
関係ないと弁護士に言われて泣いていました。
俺、絶対生まれ変わる。
堂々と迎えに行ける相応しい人間に
生まれ変わりますと言われて悪寒がした。
私は連絡先を変えて母も引っ越した。
半年実家でお世話になって
部屋を借りて実家を出ました。
二年前に縁があって
「僕には子供ができない、
だから僕をあの子たちのお父さんにしてほしい」
と言ってくれた現旦那と再婚。
初めて結婚っていいものだと思いました。
お給料を任せてもらい、
家族の為に頑張って遣り繰りしています。
一年程前に元旦那から実家の母に電凸があり
「引っ越したんですか?
私子や子供たちは元気ですか?
俺は…(以下元旦那の現状をダラダラ)」
と言われたそうですが、
再婚したことを伝えたら絶句していたそうです。
あなたに娘や子供を案ずる資格はあるのかと言ったら
黙って電話を切ってそれっきりです。
長くなりましたが、現旦那には
モラハラと性格の不一致で離婚したとしか言ってないので、
離婚する時の私が氷のような女だったことや、
自分で死ぬ勇気もなく
ただひたすら治療費の為に働いてる
虚しい奴だと見下してる女であるという事実は
墓場まで持って行こうと思っています。
俺は親からも捨てられて
(実際はオドオドした父親も
好き放題の母親も嫌いだと自分の意思で逃亡した)
嫁にも捨てられるの?と、モラハラの得意技、
同情を引く&相手に罪悪感を植え付ける攻撃にも
出てきたんですが…
私はある意味吹っ切れすぎていたせいで、
子供たちからも捨てられるんだよと返して一切怯まず。
元旦那の今の孤独がどれほどのものか、
想像もしたくありません。
私ならおそらく耐えられません。
子供の発表会で感動して涙ぐむ現旦那を
一生かけて大切にしようと思います。