父が恥をかき、 なおかつ最大限に後悔しそうな復讐を考えた

中1の夏、父の交際相手から電話が来た。
電話嫌いの私が無愛想な低い声で対応したせいか、
交際相手は母と間違えたらしく、
旦那を大事にしない、主婦のくせに家事をしない、
子供に父親の悪口を吹き込むなんて最低!
と散々わめきちらし、ガチャ切り。

何のことだかわからずに受話器持ったまま、
しばらく呆けてた。

母は大好きな仕事を辞めて、
祖父母(父方の両親)の介護に専念してるが、
母から父の陰口なんて聞いたことがないし、
介護の愚痴も聞いたことがなかった。
家事が疎かになることもなく
父が晩酌するときは必ずおつまみを作っていた。

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誰かと間違えてるのかと思いたかったけど、
交際相手はしっかり私の名字と父の名前を言っていた。

ずっと仲のいい両親だと思っていた。
どんなに疲れていても
ニコニコしてる母に告げる気になれなかった。

父の携帯を盗み見て、
交際相手は会社の後輩だということがわかった。
頭のわいたメールにヘドが出そうになりつつも
読み進めていくと、
妻が食事を作らない
家がいつも汚くて自分が掃除している
子供達は妻の味方で目も合わせてくれない
家に居場所がない
というありもしない嘘をついてまで
交際相手に甘えているメールを読んでると泣けてきた。

母はどんなに疲れてても美味しいご飯を作ってくれたし、
おうちはいつも綺麗だった。
昨日のご飯は私も手伝って、
お父さんの大好きな餃子を作った。

お父さんは私達を踏み台にしてまで
交際相手と付き合いたかったんだ。

父の会社では母は鬼嫁として有名らしかった。

会社での母の誤解をときつつ、
交際相手に思い知らせながら、父が恥をかき、
なおかつ最大限に後悔しそうな復讐を考えた。

他の姉弟達を誘って、
父の職場(誰でも入れる)に出向き、
サプライズで誕生日を祝ってあげた。
何も知らない姉と弟はノリノリで、
姉はわざわざ友達に車を借りてきて
学校に迎えにきてくれた。

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昼休憩中、
同僚達と社食を一緒に食べてる父を見つけて駆け寄って、
「おめでとう!」とプレゼントを渡したとき、
ものすごい顔でこちらを見ている女性がいた。

無邪気にはしゃぐ私達を見て、
別の同僚が「仲良いんですねー?」と
にこやかに皮肉を言っていた。

父はその言葉にはっとして
「学校はどうした」と聞いてきた。
「今休み時間だよ!」
「すぐに戻るよっ」
「今日はお父さんの大好きなビーフシチューだよ!」
と弟が喋っていた。

ものすごい顔でこちらを睨み付けていた女性が
交際相手なんだなとなんとなく思った。
20代前後くらいの割りと綺麗な人。
娘と年が変わらない女性と交際するなんて…と
そこにも吐き気がした。

無事にサプライズを終えて、
姉弟達はおおはしゃぎしていた。
私もテンション高かった。
誕生日は無事に過ぎ、数日後両親は離婚した。

交際相手がわざわざ自爆しにきたらしかった。
母は両方から慰謝料を取り、
私達姉弟は母に引き取られた。
父の追い縋り方が酷かった。

それから数年後姉にこのことを告白したら、
「…私もあれ(父)が裏切りしてたのは知っていたよ」と
衝撃告白。
姉は姉で色々考えてたらしく、
父が思い直してくれたら…と
私の提案にのってくれたらしい。

「ごめんね、私がもっと早くなんとかしてたら、
あんたがそんなことしなくてすんだのに…」
と静かに泣く姉に私号泣。

母は仕事に復帰して元気だし、弟も元気に過ごしてるけど
私のしたことが正しかったのかどうかはわからない。

未だに父からメールが来る。
私は金目当てに可愛い娘を演じてる。
それも大学卒業までで、無事卒業したら絶縁する。
二度と会わない。

もし何かの偶然ですれちがったとしても目も合わさない。

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